不況で塾にも通わせられない……教育市場が急縮小

» 2010年10月08日 12時18分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 矢野経済研究所は10月7日、「教育産業市場に関する調査結果」を発表、2009年度の教育産業市場※は前年度比6.0%減の2兆4644億円と縮小したことが分かった。2009年前半の新型インフルエンザや、2008年秋のリーマンショックなどが影響したと見る。

※教育産業市場……学習塾、語学スクール、資格取得学校、資格検定試験、カルチャーセンター、幼児教育、企業向け研修、eラーニング、幼児通信教育、学生向け通信教育、社会人向け通信教育、英語教材の主要12分野を指す。

 分野別に見ると、最大市場の学習塾・予備校市場が前年度比2.6%減の9000億円。景気動向に左右されにくいとされる分野ではあるが、同研究所では「受験学年でない生徒層(小学校低中学年、中学校1年生、高校1年生など)の入塾時期が遅れる、または取りやめになるといった現象が大手学習塾で多々見られた。また、一部の個別指導塾、予備校では、通塾回数や講座取得数が絞られるといった現象が見られるとともに、生徒数確保のため、夏期・冬期講習のみならず、レギュラー講座までも値下げに踏み切る学習塾が続出し、客単価が全国的に下がった」と分析している。

学習塾・予備校市場規模推移(出典:矢野経済研究所)

 楽天やユニクロの英語公用語化などが注目を集めているが、英会話・語学学校市場は前年度比5.6%減の2797億円。「不況による家庭の可処分所得の減少が外国語教室に大きな打撃を与えた」(矢野経済研究所)。

英会話・語学学校市場規模推移(出典:矢野経済研究所)

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