人脈は夢を語ることで生まれる(1/3 ページ)

» 2010年10月08日 08時00分 公開
[今野誠一,INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

今野誠一(いまの・せいいち)

マングローブ社長。組織変革と、その担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。そのかたわら、経営者コミュニティサイト「MG-NET+(マグネットプラス)」編集長として経営者同士のネットワーク作りにも取り組んでいる。著書に『マングローブが教えてくれた働き方 ナチュラル経営のススメ』(ブルース・インターアクションズ)。


 “人脈”という言葉は、「自分のビジネスのために利用できる人を何人知っているか」というようなビジネスライクで少しネガティブなイメージを持っている人もいると思います。しかし、ここではポジティブに3つの言葉で定義してみましょう。

1.人脈とは、いざという時に自分のために働いてくれる人である

 「自分にとってその人がどれだけ役立つ人か」という基準が存在し、そうした有益度で、出会ってからの接点の持ち方を変えている人も多いと思います。

 自分にとっての有益度という、一方通行で考えていることが、本当の人脈ができない原因のように思います。「人脈=いざという時に自分を頼ってくれる人が何人いるか」という逆のベクトルで考えてみた方がいいかもしれません。

2.その人に頼まれたら決して嫌とは言えない関係のことを言う

 そして、同時にあちらから見ても、自分がそういう存在と思ってもらえている関係であれば最高でしょう。こちらの定義のほうが、グッと深い人間味があり、温かみのある人間関係です。

 本当は何らかの頼みごと、頼まれごとをお互いにし合える関係が人脈というものになるのかもしれません。

3.お互いの夢をサポートし合っている関係

 自分の夢の実現に大いに近づくような何かを頼んだり、そのための悩みを聞いてもらったりというレベルは「最高レベルの人脈」と呼べるものになるのではないでしょうか。

 交流会などで名刺交換する際には、お互いに単に事業内容などを話しての「営業モード」ではなく、「自分がどんな夢を持っているのか」「あなたはいったいどんな夢を描いて参加しているのか」といったやりとりをしたいものです。

 そして、「聞いた相手の夢のために、いったい自分に何ができるだろう」と考えてみることです。そして役に立てることを思いついたら、迷わず相手にそのことを伝えます。

 いざ頼まれごとをしたら、全身全霊、できることは何でもやることです。それなしには、何も始まらないということですね。

 「一緒に修羅場を経験した間柄は、本当の人脈になる」と誰かが言っていました。

 「最初に入った会社を大切にしよう」と若手社員のみなさんに、ボクは声を大にして言いたいと思うのです。最初に一緒に仕事をした人こそ本物の人脈になる可能性を秘めているのだと。

 だから、万が一、転職をするようなことになったとしても、辞め方は非常に重要なのです。やれるだけのことを一生懸命やって、本当にやりたいことを見つけて次のステージに行く場合と、不満の塊になって、仕事に身が入らず、石もて追われるように去っていくのとでは将来に向けて天地の差ができることになります。

 「本物の人脈」ということについては、ボク自身も、これからも考え続けたいと思います。

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