SOHOの夢を安く、強く実現――IKEAのオフィス創り支援活動郷好文の“うふふ”マーケティング(2/3 ページ)

» 2010年10月07日 08時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]

ライトモダンな格安店舗作り

 「今どきのテーマはいかにコストをかけないで、良い店舗を創るかなんです」

 Imafukuさんが紹介した事例は大阪堂島のビストロ&ワインのお店。オーナーの条件は想いを“100万円以内”で実現することだった。

 長引く不況の影響で、明るく健康的な開放型の店舗デザインが求められている。閉鎖的なファサード(店頭)も、個室も敬遠される。軽やかでコンテンポラリーなのがトレンドだ。ビストロでは“ライトモダン”というコンセプトから、IKEAの北欧的で明るいイメージを導入した。

 コスト削減効果はすごい。プロ用家具なら80万円かかるところ、IKEAで25万円で収めた。差額の55万円が、カウンター上の本棚、奧のビジュアル、照明計画に振り向けられた。IKEAのビストロ、すごくサマになっている。

 実はIKEAの家具はすでにたくさんのオフィスや店舗で使われている。私はよく見かける。IKEAの公式発表では「B to B売上高は8〜9%」というが、実際はもっと高いだろう。

 当日買って、当日設置できるのも魅力だ。SOHOとは“すぐにオフィス、早くオフィス”という意味でもあるかもしれない。私とcherryさん、船橋店に買い付けに行った帰りのJRはずいぶん大変だった。デリバリーサービスも安価になったのはうれしい。メンバーシップは1000社を目標とする。

 それでは、新しいオフィスの形を提案するIKEA自身のオフィスはどんなものだろうか? 船橋店内にあるイケア・ジャパン本社のオフィスを体験してみた。

IKEAのオフィス

 広々としたオフィスは1人160センチ幅のガッラントデスクシステムで統一(私たちと同じだ)。みなさん、フリーアドレスで仕事する(一部管理部門は固定席)。収納はエフェクティブで統一され、観音開きのフロントか、ロールフロントを組み合わせる。そして照明はブラーサやルンタなどのペンダントでコーディネイト。

 フロアにいくつもある打ち合わせコーナーもいい。カルルスタードのソファカバーなら、ミーティングがパッと明るくなりそう。ラックのテーブルは何と1つ799円(笑)。そんなにオフィスが安くていいんですか? IKEAの社内デザイナーが創ったこのオフィスは「第23回日経ニューオフィス推進賞」を受賞した。

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