経済指標の好転や金融緩和期待から大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年10月06日 08時32分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10944.72△193.45

<NASDAQ>2399.83△55.31

<為替:NY終値>83.22-83.28

経済指標の好転や金融緩和期待から大幅高

 朝方発表されたISM非製造業景況感指数が予想を上回って改善が見られたことや日銀の金融緩和で米国でも金融緩和期待が強まったことなどから買い先行となりました。加えて、欧州での金融不安も薄れ、欧州株が大幅高となったこともあり、世界的な景気回復を期待する動きもあって、素材株や金融株、ハイテク銘柄と幅広い銘柄が買われ、大きな上昇となりました。同時に信用収縮懸念は薄らぎ、リスク許容度の上昇などもあって商品相場も堅調となったことも相場の上昇を後押しする格好となりました。

 日本で追加の金融緩和が示されたことで、米国でも更なる金融緩和が期待されたものと思います。決して景況感が悪化しているということではないのですが、ドル安効果を持続させる意味でも追加の金融緩和が期待されているものと思います。雇用指標の発表を前に株式市場、商品相場もさらに強気になった感もありますが、それだけ金融が緩和されることで、リスク選好の動きが加速されるということなのだと思われます。

 個別には欧州での金融不安も薄れたことからバンク・オブ・アメリカが大幅高、JPモルガン・チェースやシティグループも堅調と金融株が高く、商品相場の上昇からエクソン・モービルやシェブロンといった石油株、ニューモント・マイニングやパブリック・ゴールドが高く、景気回復、景気拡大期待からGE(ゼネラル・エレクトリック)やキャタピラー、アルコアといった景気敏感銘柄が堅調、アップルやグーグルが大幅高、IBMやインテルも堅調とハイテク銘柄も総じて高くなりました。ディフェンシブ銘柄のコカ・コーラや個人消費関連のウォルマートやホーム・デポなども高く、売上高見通しを下方修正して大きく売られたタルボットなど個別の悪材料で売られた銘柄以外は堅調、ほぼ全面高となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は追加の金融緩和策が示され好感して大幅高となりました。ただ、為替の動きは鈍く、とりあえず、期待したとおりの緩和策ということが好感されたました。今後は為替動向や金融緩和策の効果を見極める動きとなるのでしょうが、底堅い展開となって来るのだと思います。金融緩和を「サプライズ」と言う見方もあるようですが、資産購入5兆円などはまだ金額も少なく、期待通りと見て良いと思います。

 米国株が大幅高、商品相場も堅調となったことから買い先行となりそうです。昨日の地合いを引き継ぎ、割安感が強い銘柄や売られすぎ銘柄も堅調となるものと思われますが、為替が対ユーロでは円安となったのですが、米ドルで円高に振れたことから、輸出関連銘柄の中には上値を押さえられてしまう銘柄も多いものと思います。商品相場が堅調なことから、非鉄株や商社株の上昇は期待され、輸出株のなかでも欧州比率が高いと見られる機械株の一角や精密株などが買い戻しを交えて物色されるのではないかと思います。不動産株なども引き続き金融緩和の恩恵が大きいとして注目されるのでしょう。

 シカゴ市場の日経平均先物の上値も限られたように円高ということもあり、上値も重そうです。まだ節目と見られる9500円〜600円水準を一気に抜けて来るという雰囲気でもなさそうで、円安に振れるようであれば9500円〜600円水準を固めて上値を試す動きとなって来るのでしょう。本日だけの動きを見ると9500円水準で底堅さは見られるのでしょうが後は為替次第ということになりそうです。日銀の追加緩和が示されたことで、下値不安は薄れているものと思います。

本日の注目点

◇9月の車名別新車販売台数

◇10月の金融経済月報(日銀)

◇3−8月期決算:イオン(8267)

◇9月のオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)全米雇用リポート

◇欧州連合(EU)の4−6月期域内総生産(GDP)改訂値

◇英中銀金融政策委(7日まで)

◇海外6−8月期決算:コストコ・ホールセール、モンサント

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