コラム
» 2010年10月04日 08時00分 UPDATE

藤田正美の時事日想:インドが、中国を“凌駕”する日 (1/2)

インドの2010年度の経済成長率は8.5%以上に達すると予測されている。あるアナリストは「インドは主要経済大国の中で最も成長する国になるだろう」と予測しているが、そのインドに日本はどのように向き合えばいいのだろうか。

[藤田正美,Business Media 誠]

著者プロフィール:藤田正美

「ニューズウィーク日本版」元編集長。東京大学経済学部卒業後、「週刊東洋経済」の記者・編集者として14年間の経験を積む。1985年に「よりグローバルな視点」を求めて「ニューズウィーク日本版」創刊プロジェクトに参加。1994年〜2000年に同誌編集長、2001年〜2004年3月に同誌編集主幹を勤める。2004年4月からはフリーランスとして、インターネットを中心にコラムを執筆するほか、テレビにコメンテーターとして出演。ブログ「藤田正美の世の中まるごと“Observer”


 前回、日本は中国と対抗するために、ASEAN(東南アジア諸国連合)との関係、特に経済関係を深めること、また同時に中国に警戒感を持っているロシアとの関係を深めるように努力すべきであると書いた。その後、ロシアのメドベージェフ大統領は日ロ間の懸案である北方領土を訪問すると発表し、日本側の神経を逆なでしたが、結局は今回は取りやめということになって、日本は胸をなで下ろした格好だ。

 ロシアのメッセージは、北方領土問題にこだわることで日ロ間の協力関係が進まないなら、ロシアは中国と手を組むぞということだったのかもしれない。しかしロシアは中国を警戒している。あるロシア人はこんな冗談を教えてくれた。「ある日のテレビニュース。『バルト3国の1つ、ラトビアと中国の国境において紛争が勃発した』」。つまりロシアは中国に飲み込まれてしまうというブラックジョークである。

 確かに人口が減りつつあるロシアと、その10倍の人口を擁し、さらに人口が増えている中国を考えれば、国力の差は歴然としている。しかも中国のGDP(国内総生産)はロシアの4倍程度である。さらに中国が「世界の工場」と呼ばれて工業生産を伸ばしているのに比べると、ロシア経済は原油や天然ガスの相場に大きく左右される構造になっている。メドベージェフ大統領はこうした資源異存の構造から何とか抜けだそうとして、海外企業の誘致に熱心に取り組んでいるが、なかなか思うようには進んでいない。

インドが経済成長において中国を凌駕する

 北のロシアと並んで日本が注目しなければならない国は南のインドだろう。英エコノミストの最新号(10月2日号)がインド特集を組んでいる。同誌は何度かインド特集を組んできたが、これまではどちらかといえば懐疑的あるいは否定的な色が濃かった。それらに比べると、今回は虎が疾走する写真を表紙にするなど楽観的なトーンである。

 同誌の記事の中から、ポイントを紹介する(参照リンク)

 インドの2010年度の成長率は8.5%以上に達すると予測されている。また投資銀行モルガン・スタンレーのアナリストによると、3年から5年以内にインドの成長率が中国の成長率を上回るという。中国は以前のような二ケタ成長ではなく8%成長に甘んじる一方、インドは数年間は9〜10%成長の時代が続くというのである。これからの20〜25年間は世界の主要経済大国の中で最も成長する国になるだろうと予測している。

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