経済指標の好転も期末の手仕舞い売りに押されて軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年10月01日 08時47分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10788.05▼47.23

<NASDAQ>2368.62▼7.94

<為替:NY終値>83.52-83.58

経済指標の好転も期末の手仕舞い売りに押されて軟調

 朝方発表された4−6月期のGDP(実質国内総生産)の確定値が改定値から上方修正され、新規失業保険申請件数も予想を下回ったことや、9月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)が予想に反して上昇となったことが好感されて買い先行となりました。ただ、目先的な過熱感もあり、期末の手仕舞い売りも嵩んで軟調となりました。売り急ぐような場面も少なく、軟調とはなったものの底堅く、持高調整の買い戻しが入るとナスダック指数は堅調となる場面も見られるなどセンチメントは決して悪いものではないようです。

 利益確定売りなどもあり、軟調とはなったものの、日本市場とは違って欧州金融不安を取りざたすることもなく底堅い展開となりました。センチメントが好転していることで、景気や株価に対して楽観的な見方も多くなっており、売り急ぐような場面もありませんでした。原油先物相場が高くなっているなど商品相場も引き続き底堅い堅調な展開となっており、信用収縮懸念もなく、金利低下、ドル安を享受する格好となっています。

 個別には景気の回復を好感して買われていたものが手仕舞い売りに押されて安く、インテルやIBMなどのハイテク銘柄やキャタピラー、GE(ゼネラル・エレクトリック)など景気敏感銘柄も軟調となりました。AIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)が日本の生保子会社2社をプルデンシャル・ファイナンシャルに売却すると発表、プルデンシャルは大幅下落、AIGは大幅高となりました。原油先物価格が1カ月半ぶりの高値をつけたことから、エクソン・モービルは高かったのですが、シェブロンは利益確定売りに押されて軟調となるなどまちまちでした。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は期末の持高調整の売りに押され、為替の介入期待、お化粧買い期待も空振りに終わり失望感からの売りが嵩み、欧州金融不安も根強いことから見切り売りも嵩んで大幅安となりました。特に売り急がなければならない材料があったと言うことでもないのですが、買いが入ると思っていたところに入らず、逆に売りが出たことで、売り急ぐ展開となってしまったものと思います。

 欧州金融不安が米国市場などでは取りざたされることもなかったことや、米国株が軟調ながらも底堅い展開となっていること、為替も円高水準ながらも落ち着いていることに昨日の大幅下落の反動もあって堅調な展開が期待されます。10月相場入りということですが、例年10月に波乱となることも多く、足元の為替動向なども気になって積極的に買い上がる動きにはならないのでしょうが、日本でもさらなる金融緩和や為替の介入期待から売り叩き難くなっているものと思われ、目先的な過熱感はあるもののまだまだ割安感の強い商社株や非鉄株、業績好調のハイテク銘柄などの反発は期待されます。

 日経平均は目先的には9500円〜600円水準が上値と言う雰囲気になって来ました。下値を探る展開となって、目先的な過熱感を冷ますことになるのか、9500円〜600円水準を抜けはしないものの、何度かその水準に突っかけながら「下がれば買い」と言う雰囲気での日柄整理となって来るのでしょう。引き続き下値は9200円〜300円水準と見ておいて良いものと思います。

本日の注目点

◇8月の全国・9月の都区部消費者物価指数(CPI、総務省)

◇8月の完全失業率(総務省)

◇8月の家計調査(総務省)

◇8月の有効求人倍率(厚労省)

◇9月と4−9月の新車販売台数(自販連)

◇3−8月期決算:ユニー(8270)

◇9月の米新車販売台数

◇9月の米消費者態度指数確報値(ミシガン大学調べ)

◇8月の米個人所得

◇8月の米個人消費支出(PCE)

◇9月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数

◇8月のユーロ圏と欧州連合(EU)失業率

◇9月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)

◇香港市場が国慶節で休場

◇上海・深セン市場が国慶節で休場(10月7日まで)

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.