ファイナルファンタジーで商人レベルを上げてみる誠 Weekly Access Top10(2010年9月18日〜9月24日)

» 2010年09月30日 11時00分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 先週最も読まれた記事は「格安航空会社が羽田にやって来る! エアアジアXのカラクリ」。2位は「“名ばかり”有給がなくなるかもしれない」、3位は「“名ばかり”有給がなくなるかもしれない」だった。

ネットゲーで経済を学ぼう

 20〜30代のビジネスパーソンにとって馴染み深いであろうタイトル、オンラインゲームのファイナルファンタジー14が9月30日から正式にスタートする。すでに9月22日から先行ログインが始まっていて、筆者も遊んでいるのだが、動作がもっさりしている半面、グラフィックの質が非常に高くなっており驚かされている。

 オンラインゲームは長く遊んでもらうことが重要なので、コンテンツを消化しにくくしていることが多い。レベルが上がりにくかったり、手に入りにくいアイテムがたくさんあったりということである。一方、多くのプレイ時間を要求されるので、社会人にとってはなかなか手を出しにくい遊びとなってしまっている一面がある。

 そのため、筆者も友人たちに積極的に勧めることはないのだが、1つ、若手社会人が関わると良い経験となるのでは、と思うことがある。それは、ゲーム内経済に積極的に参画することである。

 ほとんどのゲームでは取引所を通じるなどして、アイテムを売買できるのだが、ゲームとはいえ、そこにはもちろん需給の関係が働く。そして、現実よりプレイヤーが少ないため、劇的に動く傾向にもある。アイテムを生産して売るなどして経済活動に参加することで、実地で学べるというわけである。また、インフレを察知するため、ゲーム全体に流通しているお金の総量にも気を遣わなければならないので、マクロ経済を学ぶための箱庭ともなる。

 筆者は記者なので、流通に関わるさまざまな話を耳で聞くことはあっても、実地で試す機会はない。個々の役割が明確に分かれている企業も多いので、メーカー企業であっても生産や販売の現場に立ったことがないという人は少なくないだろう。そうした人たちにとって、手軽に売買を体験できるネットゲームの世界は、貴重なのではないかと思う。

 筆者も基本的なことではあるが、最安値でなくてもアイテムを売る方法や、原料提供者は立場が弱いが、買い手側は適切な報酬を払うようにしないと長期的にうまくはいかない(提供者がほかに流れたり、やる気をなくして原料を調達しなくなったりする)といったことなどを学ばせてもらった。さまざまな原料から作ったアイテムを販売する際には原価計算をしたり、販売量をデータとして蓄積して、その分析を行ったりしたこともあった。

 アイテムを販売していると、時に誤ってデフォルト設定の「1通貨単位」で価格を設定してしまい、すぐに買われて、涙目になるということもある。しかし、これは現実にもあること。通販サイトで価格を間違って設定してしまい、損失をこうむった企業の話を聞いたことがある人も少なくないだろう。筆者も設定ミスをやらかしてしまったことがあるのだが、現実でミスをする前に、仮想世界で自分のうかつさを気付かせてもらったのは良いことだったと思っている。

 もちろん、本格的に経済活動に参加しようとすると、かなりの時間が必要となるので、社会人にとってはなかなか厳しい。しかし、1日に数分だけログインして特定のアイテム価格の推移をチェックするだけでも、多くの学びが得られるのではないかと思ったりもする。ヤフオクなどで本当の経済活動に参加する手もあるのだが、それよりリスクも手間も小さいし、動きも激しいのではないだろうか。

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