芳しくない景況感も追加金融緩和期待で堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年09月29日 08時33分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10858.14△46.10

<NASDAQ>2379.59△9.82

<為替:NY終値>83.85-83.91

芳しくない景況感も追加金融緩和期待で堅調

 朝方発表された住宅価格指数は予想に反して上昇、住宅価格の底入れ感も強まったのですが、午前中に発表された消費者信頼感指数が予想を下回ったことから、利益確定売りを急ぐ場面もありました。ただ、金融緩和期待もあり、買い戻しが入ると底堅く、底堅さを見て買い戻しを急ぐような動きもあり、堅調となりました。金融緩和期待から経済指標の悪化が見られるとドルが売られ、ドルが売られると金先物や原油先物に買いが入り、株価指数を押し上げる要因となりました。

 欧州での金融不安も一服となり、経済指標の悪化も追加の金融緩和と結び付けられるという状況で、株式市場は堅調な地合いが続いています。超低金利が続いているなかで、金利緩和期待も根強く、リスク許容度が高まっていることで商品相場も株式市場も堅調な地合いが続いているものと思います。また、ドル安効果で企業業績の回復も期待され、売り難くなっている面もあるものと思います。信用収縮懸念やドル安効果が剥げてしまわなければ、強含みの展開が続くものと思います。

 個別にはM&A(企業の合併・買収)に絡む話題でドラッグストア株が買われ、好決算を発表した同業のウォルグリーンも大幅高となりました。同様にブログ運営会社を買収すると発表したAOLが高くなりました。金先物価格が高値更新となったことでパブリック・ゴールドやニューモント・マイニングが高く、原油先物価格も一時堅調となったことでシェブロンやエクソン・モービルも堅調、前日の下落の反動や金融緩和からの景気回復期待もあって、アルコアやキャタピラー、GE(ゼネラル・エレクトリック)など景気敏感株も堅調となりました。一方、多機能携帯端末の新製品を発表したが、年末商戦に間に合わないことが嫌気されてリサーチ・イン・モーションが売られて大幅安、売上見通しが予想に届かなかったことが嫌気されてジャビル・サーキット(電子機器製造受託サービス)も軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は配当落ちという事もあり大幅下落となりました。ただ、日銀短観の発表を控えていることや中間期末ということもあり、積極的な売り買いが出ているということでもなく、相変わらず持高調整の売り買いが中心となっていたものと思います。先安懸念から売り急ぐということでもなく手仕舞い売りが嵩んで大きな下げとなったものと思われ、景況感や相場感での大きな下げというよりは目先の需給要因での下落ということだと思います。

 米国市場は堅調、ユーロも堅調となっているのですが、米ドルが軟調=円高となっていることが嫌気されて上値の重い展開となりそうです。昨日の大幅下落の反動から底堅い堅調な展開が期待されますが、朝方発表される日銀短観で景況感の悪化が見られるようであれば、下値を試すように利益の出ているもの、損失の少ないものなどから売られてしまいそうです。月末近くということもあり、相変わらず持高調整の売り買いが中心と見られ、方向感も物色対象も掴み難い展開が続くのかもしれません。

 引き続き9500円水準を保てるのかどうかが試されそうです。対米ドルでの円高を嫌気するような展開となれば、下値を試す動きとなり、9500円〜600円水準が上値とされて、9200円〜300円の下値を試す動きとなるのでしょう。日銀短観で予想以上に景気の拡大が続いていると見る向きが多いようであれば9500円〜600円水準での底堅さが確認されて持高調整の売り買いが一巡すれば、9800円〜900円水準を目指す動きとなって来るものと思います。

本日の注目点

◇9月の日銀企業短期経済観測調査(短観)

◇プロッサー・米フィラデルフィア連銀総裁が講演

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