連載
» 2010年09月29日 08時00分 UPDATE

それゆけ! カナモリさん:ペプシモンブランはまずくなくてはならない (1/2)

猛暑がようやく落ち着く気配を見せ、秋の味の話題もちらほら聞こえてきた。そして、季節の味覚のごとく恒例ともなっている、毎年1〜2回発売される変わり種ペプシ。この秋の新作は「栗」がテーマだ。

[金森努,GLOBIS.JP]
GLOBIS.JP

それゆけ! カナモリさんとは?

グロービスで受講生に愛のムチをふるうマーケティング講師、金森努氏が森羅万象を切るコラム。街歩きや膨大な数の雑誌、書籍などから発掘したニュースを、経営理論と豊富な引き出しでひも解き、人情と感性で味付けする。そんな“金森ワールド”をご堪能下さい。

※本記事は、GLOBIS.JPにおいて、2010年9月24日に掲載されたものです。金森氏の最新の記事はGLOBIS.JPで読むことができます。


ah_pepusi1.jpg ペプシモンブラン

 「あの定番スイーツがペプシに――発売は10月26日

 <「ペプシモンブラン」季節限定発売 ― 人気のデザート「モンブラン」をモチーフにした、ペプシが新登場 ―>(9月21日サントリー ニュースリリース)

 栗のホッコリとした甘み。それを使ったスイーツ。その味を思うと、思わずほほが緩む。ラ・プレシューズ、ラレーヌ、千疋屋などを筆頭に「モンブラン」は大人気だ。

 が、しかし、「ペプシモンブラン」はまずいはずなのだ。いや、まずくなくてはならないのである。その理由を説明する前に、変わり種ペプシの歴史をたどってみよう。

 変わり種ペプシは2007年夏、キュウリ味の「ペプシ・キューカンバー」で衝撃のデビューをしたと多くの人が認知している。キュウリ味というよりも、同じうり科のスイカの白い部分のような、薄甘く青臭いようなビミョー味がネット上で大きな話題となった。実際にはそれ以前にも、レッド、ゴールド、カーニバルなどの変わり種を投入してきたペプシ。だが、2007年ころ、ブログやSNSなどでの口コミの情報量が増大したことも手伝って、それまでと一線を画す大きな話題となったのだ。

 以降、2008年夏、カクテルからヒントを得た「ペプシブルーハワイ」。こってりとしたパイナップル味が甘く、ビミョーな苦みも少し感じる味わいだった。同年冬は、乳性炭酸飲料風の「ペプシホワイト」。少し飲むと普通においしいのだが、やがてビミョーなケミカル臭が感じられ、小児用シロップ薬が思い出される気がした。2009年は「和」がテーマだったといい、夏は「ペプシしそ」。

 しそのチューハイを想起させるも、ホワイトに用いられていたケミカルさが強化された感が強かった。ホワイトとしそのケミカルさは、一部ドクターペッパーなどの味わいを好む人には好評であったが、多くの人は「1本飲み終えられない」と評した。

 ところが、そのまずい味に変化が起きたのが同年秋。「ペプシあずき」の登場だ。「甘過ぎ」「しるこのような粉っぽさを感じる」といった声も聞かれたが、「意外においしい」との評が多かった。さらに、今年5月に発売された「ペプシバオバブ」。「アフリカに生育する樹木“バオバブ”をモチーフにした」という謎なコンセプトとは裏腹に、そのフルーティーな味わいは「おいしい!」と多くの人が衝撃を受けていた。

 徐々においしさを増し、フツーにおいしくなった変わり種ペプシ。しかし、本来のその狙いはそれではダメなのだ。

       1|2 次のページへ

Copyright(c) 2017 Globis Corporation All rights reserved.

注目のテーマ

ITmedia 総力特集