道路、橋、ダムといった公共工事はなぜ“余分”に造られてきたのだろうか。その一方、定額給付金の支給や子ども手当ての増額などがあったものの、なぜ現金はあまり手渡されてこなかったのだろうか。この問題について、ブロガーのちきりんさんとフリーライターの赤木智弘さんが語りあった。
1975年8月生まれ、栃木県出身。長きにわたるアルバイト経験を経て、現在はフリーライターとして非正規労働者でも安心して生活できる社会を実現するために提言を続けている。
著書に『若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何か』(双風舎)、『「当たり前」をひっぱたく』(河出書房新社)がある。ブログ「深夜のシマネコ」、Twitter「@T_akagi」
ちきりん:もし解雇規制がなくなれば、企業はこう言うでしょう。「あなたの年収は800万円ですが、仕事の価値は400万円なので年収を半分にします。それが嫌なら辞めてください」と。しかしこのように迫っても、多くの人は年収が半分になっても、会社に残るでしょう。
なので解雇規制が導入されれば、雇用を減らさず給与を引き下げることができる。そうすると、余ったお金で若者を雇用することができる。
赤木:少なくとも企業は成長しようと考えているので「給与を半分削ったからOK」という動きにはならない。その余ったお金は、どこに使うか分かりません。
ちきりん:お金の使い道は、日本国内であってほしいということですか?
赤木:ですね。ただ企業が海外に逃げるのは、仕方がない。彼らが出て行くことで、新たな企業が誕生することを期待するしかない。これまで日本を牽引してきた大企業が、今後も引っ張っていく必要なんてどこにもありませんから。
ちきりん:40〜50代の正社員が自分の仕事を守れば、20〜30代の人が仕事を手にすることが難しくなる。それと同じように、大企業が仕事を抑えているがために、ベンチャー企業にチャンスが回ってこないという現実があったりする。小さい企業が伸びようとしても、大企業がそれを潰そうとする。なので大きな市場を必要とする大企業が海外に出て行くのは、日本の小さな企業にとってはいいことかもしれませんね。
赤木:そうですね。また競争原理だけではなく、プラス社会保障を整備することも必要でしょう。
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