週末の欧米株高を好感して円高気味にも関わらず大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年09月27日 16時25分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9603.14円 △131.47円
売買高 16億7054万株
日経平均先物 9540円 △140円
売買代金 1兆1694億円
TOPIX 849.30 △10.89
値上がり銘柄 1328銘柄
東証マザーズ指数 363.00 ▼5.92
値下がり銘柄 241銘柄
日経ジャスダック平均 1190.95円 △0.29円
変わらず 97銘柄
騰落レシオ 106.88% △2.50%

日経平均

週末の欧米株高を好感して円高気味にも関わらず大幅高

 先週末の米国株が大幅高となったことから買い先行となりました。為替は円高気味ではあったのですが、欧州での金融不安も薄れ、ユーロが堅調となったことや外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越し伝えられたこともあり、寄り付きの買いが一巡した後も買戻しも交えながら堅調な展開が続きました。特に買い急ぐ理由もなく、逆に大手ノンバンクの問題や中国の問題などもあったのですが、中間期末の配当取りの動きもあって売り物薄の中、指数を押し上げるような買いも見られました。

 後場も相変わらず盛り上がりに欠ける展開ではあったのですが、値持ちのいい展開となりました。目先筋の利益確定売りなども見られ、上げ幅を縮小するような場面もあったのですが、上値の重さを確認して売り急ぐようなこともなく、先週末まで見られた持高調整と見られる売りも手控えられたようで、積極的に買い上がる動きが見られたような雰囲気でもなかったのですが、大幅高水準でのもみ合いが続きました。海外市場で商品相場が堅調となっていることから商社株や非鉄株が買われ、売られ過ぎの修正や先週の反動から為替に大きな動きも見られないなかでハイテク銘柄なども堅調となるものも多く、最後まで堅調となりました。

 小型銘柄は主力銘柄の値動きが好調な中で軟調なものも多く、指数は冴えない展開となりました。東証マザーズ指数は大幅下落、日経ジャスダック平均もほぼ横ばい、と冴えない展開となりました。先物もまとまった売り買いは少なく、散発的にまとまった売り買いが出ても全くと言っていいほど方向感はなく、銘柄入れ替えの絡みや配当の絡みなどからの持高調整が主体となっていたのではないかと思います。

 為替動向に反応することなく、大幅高となりましたが、相変わらず腰の据わった買い、新たな市場参加者の買いが見られるような雰囲気でもありません。ハイテク銘柄の一角や商社株など「割安」とされるような銘柄が堅調となり、売られ過ぎの修正という様相ですが、持高調整の売りが一段落したところでの買戻しと言う雰囲気です。一気に上値の節目を目指すというよりは目先的な過熱感もまだ強いことから、9500円〜600円水準での底堅さを試す動きが続くのではないかと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 雲の下限と転換線のサポートを確認して底堅く、今度は雲の上限を目指す動きとなりました。RSIは下げ渋りとはなっているものの高値圏からの調整となり、ストキャスティックスも高値圏からの調整となっており、雲の上限に上値を押さえられながらの調整が続きそうです。遅行線が日々線の底値の日柄になるとか、ストキャスティックスが落ち着いてくれば日々線が雲を抜けて「三役好転」、底入れ完了となって来るのでしょう。

TOPIX

NYダウ

 雲の中に突っ込み、底堅さは確認されましたが、まだ底堅さを確認したに過ぎないような水準です。ここから上値は雲の上限を意識することになり、RSIは上値余地もあるのですが、ストキャスティックスは高値圏からの調整となっており、上値も重くなってくるものと思います。目先的な過熱感を冷ますために雲の下限のサポートを確認するような場面はまだまだありそうです。

円相場

NYダウ

 戻り高値からの調整が続いていますが、基準線・転換線にサポートされて底堅さが見られます。ただ、相変わらずRSIは方向感がなく、ストキャスティックスも下落が続いており、底堅さは見られても戻りの鈍い展開となりそうです。遅行線が日々線に上値を押さえられ、日々線も基準線にサポートされる一方で雲を意識すると上値も重くなるのでしょう。

銘柄ピックアップ

週末の米国株高を受けて堅調

東エレク(8035) 4335 △85

先週末の米国市場で半導体関連銘柄が大幅高となったことが好感されて堅調となりました。半導体市況に関しては懸念も残るのですが、足元の好調な業績を見直す動きや再編に絡む思惑から、買戻しを急ぐ動きもあり堅調となりました。

マース(6419) 1350 ▼94

 先週末の引け後に2010年3月期の連結純利益が前期比64%減となりそうだと発表、従来の14%減予想から減益幅が大きく拡大したことが嫌気されて大幅下落となりました。

良品計画(7453) 2923 ▼1

 10月から衣料品など全商品を1割値下げすると新聞で報じられ、買い先行となったものの、影響を見極めたいという向きも多く、買い気も乏しい中で手仕舞い売りに押されてしまいました。

三菱商(8058) 1977 △62

 週末の海外市場で商品相場が堅調となっていたことなどが好感されて買い先行、大幅高となりました。業績面での割安感も強く、配当利回りも高いことから買われたものと思います。

クラレ(3405) 1073 △17

 本日付の新聞で液晶テレビやディスプレー向けの光学用フィルムが好調で4−9月期の連結営業利益が前年同期比2.5倍になりそうだと報じたことが好感されて堅調となりました。

日電硝(5214) 1209 △92

 目先的な過熱感は強いにも関わらず大幅高となりました。明日、28日から日経平均の構成銘柄に補充されることから、指数に連動する資金の買いが期待されるとした目先筋の思惑買いが入り大幅高となりました。

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