欧米景気の回復期待が高まり、半導体業界再編の思惑もあって大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年09月27日 08時53分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10860.26△197.84

<NASDAQ>2381.22△54.14

<為替:NY終値>84.19-84.25

欧米景気の回復期待が高まり、半導体業界再編の思惑もあって大幅高

 欧州での景況感が好転したことや耐久財受注が予想を下回ったものの機械や電子機器の受注がプラスとなったこと、新築住宅販売件数も予想に届かなかったのですが7月分を上方修正するなど景気の落ち込みを懸念する経済指標とならなかったことが好感されて買い先行となり、大幅高となりました。半導体関連企業への買収の思惑も取り沙汰され、景気敏感株やハイテク銘柄が軒並み堅調となりました。

 欧州景気の回復期待から金融不安も薄れ、リスク許容度の上昇などもあって商品相場も上昇し、センチメントが上向いて買い急ぐ動きもあったものと思います。経済指標も「予想を下回った」と言うことに敏感に反応するのではなく、「予想を下回った『ものの』」ということに反応して、悪材料視することもありません。指数も節目と見られる水準を抜けて戻りを試す動きとなっており、目先的な過熱感はあるものの強含みの推移が続くものと思います。

 個別にはオラクルのCEO(最高経営責任者)が半導体企業の買収に関心を持っていると述べたことからマイクロン・テクノロジーやエヌビディアが急伸、売上高見通しを下方修正したアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も大幅高、インテルやIBMまで堅調となるなどハイテク銘柄は総じて堅調となりました。欧米の景気後退懸念が薄れたことから、キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)、アルコアと言った景気敏感株も軒並み大幅高となり、欧州金融不安も薄れたことから、バンク・オブ・アメリカが大幅高、JPモルガン・チェースやシティグループも堅調となるなど金融株も高くなりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は、円高を嫌気して売り先行となり、介入の噂で円安に振れると買戻しを急ぐ動きから堅調となる場面もあったのですが後が続かず、再び円高傾向となったことから売り直されて軟調となりました。中国の問題もあり、月末・期末と言うことに加え、飛び石連休の週末とあって持高調整の売り買いが中心で寄付きから売られると為替の介入の噂で買われた以外は方向感のない展開となりました。

 先週末の米国市場が大幅高となったことから買い先行となりそうです。ただ、中国と問題や為替も円高傾向にあることから、積極的な買いは期待出来ず上値も限定的となりそうです。欧米景気は自国通貨安の恩恵もあり回復基調と見られますが、日本では円高の影響も大きく、米国株高を好感する動きにはなるのでしょう。ただ、為替が円安に振れることがなければ上値も限られてしまいそうです。ハイテク銘柄や自動車株などの輸出株の戻りは期待され、商品相場が堅調なことから商社株や非鉄株も物色対象となるものと思われます。

 先週末も何とか9500円水準で下げ渋ったと見てもいいのかもしれませんが、引き続き9500円〜600円水準での底堅さを確認できるのかどうかが注目されます。9500円〜600円水準が上値となるのか下値となるのか、いずれにしてもこの水準が中心となるのでしょう。目先的な過熱感もあり、月末接近で手仕舞い売りが嵩むと上値の重い展開となり、目先的には需給の好転が見られず持高調整の売りが続くようであれば、上値の節目である9800円〜900円水準よりも、9200円〜300円水準を試すことになってしまいそうです。

本日の注目点

◇8月の貿易統計(財務省、8:50)

◇8月の企業向けサービス価格指数(日銀、8:50)

◇白川日銀総裁が大阪市で講演、会見

◇8月の香港貿易統計

◇2年物米国債入札

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