米国株は方向感なく、日本市場も飛び石連休を控えて小動き清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年09月22日 15時58分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株も方向感はなく、為替が円高に振れたこともあり、日本市場も冴えない展開となりました。飛び石連休の休日を控えていることや為替動向が気になり、積極的な売り買いというよりは手仕舞いの動きが中心、持高調整の売り買いが中心で指数は方向感のない展開となりました。売り先行で始まり、底堅さを確認、底堅さを確認して戻りを試す展開となると今度は戻りの鈍さを確認してしまうような展開で方向感はありませんでした。

 昨日も述べましたが、円高傾向が続いて円高メリット銘柄の買いが続くということもなく、物色材料が全く長続きせず、業種別に買われ続けるということもほとんどありません。かつての「東京湾岸銘柄」とか「バイオ関連」や「産金株」などというテーマで買われることもなく、大きな流れを掴んでもどうしても目先的な動きになってしまうようです。ただ、それでも、目先の上げ下げを気にせず、長い目で見ても右肩上がりとなっている銘柄などもあり、そうした銘柄も業績回復ということだけではなく「スマートグリッド」関連などテーマ性のあるものはそのテーマの伸びが崩れない限り堅調な地合いが続くということなのだと思います。

 そういった意味で、「新興国の生活水準向上銘柄」や「新興国の社会インフラ整備関連銘柄」などは今後も息の長いテーマとなる可能性が高く、こうした大きなテーマを決めて、その中でまだ中期的な流れのテーマ、例えば「デジタル家電」関連とか「スマートグリッド」関連、「鉄道関連」「原子力関連」などと言うテーマごとにその流れのタイミングを見ていっても良いと思います。タイミングとしてはどうしても動き出してから「乗る」方が乗りやすいのでしょうが、逆張り、ということではなく「待ち伏せ」と言う手も有効ではないかと思います。

 株価は急落時に底値をつけるときは売買高が大きく膨らむことも多いのですが、だらだらと下げているときなどは「閑散に売り無し」ということも言われますが、「閑散としているから底値」と言うことはないかもしれませんが、「底値をつけた時に閑散としていた」と言うことは案外多いのかもしれません。盛り上がっている時に「乗る」ばかりではなく「誰も見向きもしない」時にテーマを持って注目してもいいと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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