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» 2010年09月22日 08時00分 UPDATE

福武ハウス 2010に気鋭の現代作家:瀬戸内国際芸術祭 (1/3)

瀬戸内国際芸術祭2010特集。女木島を歩いていると、遠くからでも見覚えのある足場と木製の看板が。「福武ハウス」が瀬戸内にもやってきたのだ。

[上條桂子,エキサイトイズム]
エキサイトイズム

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※この記事は、エキサイトイズムより転載しています。


エキサイトイズム 女木島から瀬戸内海を眺める

 女木島を歩いていると、遠くからでも見覚えのある足場と木製の看板が目に留まる。そこには「FUKUTAKE HOUSE」の文字。「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2006」の際に「地方にもアートマーケットを創出しよう」という試みで誕生した福武ハウスが、瀬戸内にもやってきたのだ。

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 会場となるのは、女木小学校。女木島唯一の小学校だったが、児童の減少により2005年から休校となり現在は使われていない場所だ。

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 参加ギャラリーは、ギャラリー小柳、ヒロミヨシイ、スカイ・ザ・バスハウス、シュウゴアーツ、小山登美夫ギャラリー、タカ・イシイギャラリー、ジェームス・コーハン・ギャラリー、ギャラリー・グイド・バウダッハ、ギャルリー・タデウス・ロパック、ボエス・リ・ギャラリー、ヴァイタミン・クリエイティヴ・スペース、クリマンズット。国内外有数のギャラリーが、現在いち推しのアーティストを紹介している。

 学校に入って最初に登場するのが、大塚聡氏の作品だ。ケースの中をのぞくと、一筋の光が空間の奥の方からぽつぽつぽつっと現れて、また奥深くへと消えていく。

エキサイトイズム 「無題(ランドスケープ トランスファー)」大塚聡 ヒロミヨシイ Photo:Keizo Kioku

 中に入っている鏡にLEDの光が写り込みこのような鏡像が生まれるのだ。LEDの光は鏡によって増幅され、プログラムによって時間を与えられた。何かの細胞が分裂する瞬間のようにゆったりと光は痕跡を残しながら移動する。そのようなミクロの視点に立ったかと思えば、ふとすると箱の中は星が生まれて消える壮大な宇宙空間のようにも見えてくる。

 図書室として使われていた場所だろうか。教室の中に入ると大きな本棚があり一灯の照明が照らされている。暗さに目を慣らしてから奥の部屋に入ると、そこでは辻直之氏の作品「風の精」(2009)が上映されていた。

エキサイトイズム 「風の精」(2009)辻直之 Courtesy of Tomio Koyama Gallery

 6分のアニメーション作品で、風の精を主人公に、その姿がいろいろな形に代わっていく詩的な映像が続く。1枚の絵に木炭で絵を描き、その画面を撮影し、同じ絵に変化をつけていきながら撮影してアニメーションを構成していく。ゆえに木炭を消した跡もかすかに映像の中に残されているのだ。

 登場するモチーフが動くと、その残像がモチーフについて回る、動きの痕跡が映像の中で示されるのだ。しかし、絵自体は一瞬で撮影後には消されて次のシーンが描き込まれてしまう、そうしなければ動きを与えることはできない。はかないシーンの積み重ねに胸がキュンキュン鳴り止まなかった。

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