ちゃんちゃらおかしいよ! 正社員を“守る”ことはちきりん×赤木智弘の“ちゃかす”が正義(6)(3/3 ページ)

» 2010年09月22日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
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労働を引っぺがす方法

赤木:労働を資源というように考えれば、サービス残業は資源のムダ遣い。働いている側にも問題があって、少しでも労働時間を減らしていく必要があるでしょう。

 労働時間を無理矢理減らすということは、彼らのお金を奪うことになりますが、その部分は国の社会保障によってある程度下支えすればいい。そして彼らが早く帰宅するようになれば、労働以外で社会性を得るような行動がでてくるでしょう。例えば海外だと休日に教会へ行ったりしている。そうした行動はお金にはならないかもしれませんが、社会にとって必要であったりする。

 そうしたものを日本人も取り始めればいいのではないでしょうか。つまり個人の自尊心が満たされるような活動をすれば、彼らの不満もある程度解消されるかもしれません。

ちきりん:労働さえ引っぺがせば、彼らは自分の生きがいを必死に見つけようとすると思う。なので、何もしなくても趣味やボランティアを始めるはず。一番難しいのは、労働を引っぺがす方法ではないでしょうか?

赤木:そうですね。そのためには、まず労働基準法を厳罰化しなければいけません。今の労働基準法は適用が甘すぎるし、運用もほとんどされていません。例えば企業が労働基準法に反すれば、禁固刑にすればいい。

ちきりん:社長を懲役にすることですね。

赤木:そのくらいのことをやっていかないと、企業は労働基準法を遵守しない。「従業員を働かせ過ぎることによって、逮捕されるかもしれない」ということになれば、もう少し慎重になるのではないか。

ちきりん:社長や管理職が労働基準法に反することをすれば、刑務所に入れられるかもしれない。そうなれば彼らの行動は変わるでしょうね。サービス残業の禁止、偽装請負の禁止、派遣労働の雇用契約期間のごまかしの禁止などが考えられますね。

赤木:また労働基準法の中だけにとどまらず、経営者が労働者を定年まで雇い続けることの不自然さを考えるべきでしょうね。

ちきりん:解雇規制を緩和すべきという話ですか?

赤木:そうです。

ちきりん:今の労働基準法を遵守するというよりも、積極的に労働慣行を変えた方がいいというわけですね。

 →続く

ちきりんさんのプロフィール

兵庫県出身。バブル最盛期に証券会社で働く。米国の大学院への留学を経て外資系企業に勤務。2010年秋に退職し“働かない人生”を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦など、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。Twitterアカウントは「@InsideCHIKIRIN

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