桃太郎の鬼ヶ島にインストールされた現代アート:瀬戸内芸術祭(3/3 ページ)

» 2010年09月21日 21時16分 公開
[上條桂子,エキサイトイズム]
エキサイトイズム
前のページへ 1|2|3       

 もう1つの作品は、部屋の中にある。レアンドロ氏の作品は出会いの一瞬が大事だ。なので詳細な説明は避けることにする。

エキサイトイズム レアンドロ・エルリッヒ氏と「二重の茶室」

 部屋の中からは、感嘆の声というより、「あっ、あー、そうか」とか「うわ、面白い」といったような、地味にびっくりしてその後納得し笑う。そんな反応をしている人が多かった。ぜひ作品といい出会い方をして欲しいと思う。

 女木港付近の個人邸(旧岸田邸)を心地よい休憩所に、そして音楽のステージに変容させたのは、愛知県立芸術大学アートプロジェクトチームである。

エキサイトイズム 「愛知芸大・瀬戸内アートプロジェクト」愛知県立芸術大学アートプロジェクトチーム

 「MEGI HOUSE」と名付けられ、愛知県立芸術大学の活動の拠点としてさまざまなイベントを行う場所になるという。プロジェクトのメンバーも多彩だ、美術、音楽、建築、工芸、大学内のさまざまな学科が融合して1つの場所を作り上げている。

 入り口を入ると、足の裏はいつものアスファルトとは違う感覚で、シャリシャリという心地よい音がする。これは「opera glass」という作品で、陶磁専攻の榊原扶美さんらが中心となって制作された。

エキサイトイズム

 10万個以上の陶製のチップが敷き詰められている。その脇を取り囲むアールの壁は水津功さんによる「R壁」。高さ3メートル、長さ13メートルの壁は、旧岸田邸にあった廃材を利用して作られた。

 中の造りも面白い。床には井出創太郎さんによる「想起の床」という作品が敷き詰められている。大学内で使われなくなった銅版画の版を研磨して床に敷き詰めたのだ。ひんやりとした銅版は足の裏に気持ちいい。

エキサイトイズム

 そして、大きく張り出したウッドデッキは水津功さんが設計した「大縁側」。この場所は、ふだんは休憩所などに利用されるが、音楽やパフォーマンスのイベントなどを行う予定だという。

エキサイトイズム

公式ガイドブック、公式サイト:C1エリア・C2エリア

島内での交通は、鬼ヶ島大洞窟へはバス、そのほかの作品は徒歩。バスはフェリーにあわせて接続している便が多いため、島に到着したら、すぐに鬼ヶ島大洞窟へ向かうのがオススメ。バス料金は片道300円、往復600円。レアンドロ・エルリッヒ「不在の存在」内のレストラン「Restaurant IARA Megijima」での食事もオススメ(087-840-9022、11:00〜20:30無休)。

作品鑑賞可能時間 9:00〜17:00

(愛知県立芸術大学アートプロジェクトチーム、レアンドロ・エルリッヒ、行武治美は20:30まで)、無休

お問い合わせ:島の案内所(C2エリア) 090-7783-3617(9:00〜21:00)

香川県高松市女木町15-22


前のページへ 1|2|3       

Copyright (C) 1997-2014 Excite Japan Co.,Ltd. All Rights Reserved.