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» 2010年09月21日 08時00分 UPDATE

ちきりん×赤木智弘の“ちゃかす”が正義(5):なぜニホンで“格差”がなくならないのか (1/3)

米国の富裕層は交通機関から離れたところに豪邸を構えているが、貧困層はスラム街に住んでいる。こうした経済格差は日本でも広がっていくのだろうか。この問題について、ブロガー・ちきりんさんとライター・赤木智弘さんが語り合った。

[土肥義則,Business Media 誠]

 数年ほど前から「日本でも格差が広がっている」と指摘されている。海外に目を向けてみると、例えば米国の富裕層は交通機関から離れたところに豪邸を構える一方、貧困層はスラム街で身を寄せるようにして生活を送っている。こうした経済格差は、将来の日本でも広がっていくのだろうか。この問題について、匿名ブロガーのちきりんさんとフリーライターの赤木智弘さんが語り合った。

赤木智弘さんのプロフィール

1975年8月生まれ、栃木県出身。長きにわたるアルバイト経験を経て、現在はフリーライターとして非正規労働者でも安心して生活できる社会を実現するために提言を続けている。

著書に『若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何か』(双風舎)、『「当たり前」をひっぱたく』(河出書房新社)がある。ブログ「深夜のシマネコ」、Twitter「@T_akagi


拡大していく格差

yd_chikirin8.jpg 日本の格差問題を議論するちきりんさん(左)と赤木智弘さん(右)

赤木:そもそも企業は会社の価値を高めようとすればするほど、正社員の数を減らす傾向にあります。なので、これまでのように「正社員の夫が家族を養わなければならない」という給与体系がどんどんなくなっていくでしょう。

 すでに家族を養っていける夫が少なくなっていますし、また女性もどんどん雇われる状況ではありません。かつての高度経済成長期のときですら男性しか雇いきれなかったのに、今は女性も働いているので労働人口が増えている。そうした状況なので、全員が裕福な暮らしを送るということは不可能ですよ。

 労働というのはお金を稼ぐだけの手段であればいいのですが、そこには人の生きがいであったり、自尊心などが含まれてきます。さらに社会保障の話も加わってくるので、社会システムを変えていかないとこれからの日本はなりたたないと思う。

ちきりん:わたしもこのままでは日本はもたないと思いますが、企業は困らないと思うんです。世界を見ると、安い労働者がいくらでも手に入りますから。企業の経営者には「日本の社会を変えよう」というインセンティブが働かない。

 そうすると10年〜20年後には、どのような社会になると思いますか? 例えば暴動が起きるのか、それとも治安がものすごく悪くなるのか。

赤木:お金を持つ者がさらにお金を持って、持たない者はさらに持たない世の中になると思います。今は「格差」という言葉が使われていますが、将来は目に見える形で差が出てくるでしょう。社会保障の財源が減っているので、どこかを切り捨てざるを得ない。切り捨てが始まったときに「暴動が起きてくれればいいかな」とも思っています。しかし日本では労働運動的なものが失われているので、労働者が声をあげることは難しいでしょうね。

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