介入継続期待から買い先行となるも円高を嫌気して冴えない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年09月16日 16時45分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9509.50円 ▼7.06円
売買高 18億2932万株
日経平均先物 9430円 ▼40円
売買代金 1兆3860億円
TOPIX 844.71 ▼3.93
値上がり銘柄 487銘柄
東証マザーズ指数 373.37 ▼4.41
値下がり銘柄 1006銘柄
日経ジャスダック平均 1181.16円 ▼0.39円
変わらず 172銘柄
騰落レシオ 111.44% △1.71%

日経平均

介入継続期待から買い先行となるも円高を嫌気して冴えない展開

 米国株が堅調、為替も円安傾向が継続となったことから買い先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も買い越しと伝えられたこともあり、昨日の大幅高の反動も懸念されましたが大幅高の始まりとなり、値持ちも良く、上値の重さを嫌気して上げ幅縮小となったものの堅調な地合いが続きました。その後は円がじりじりと上昇すると輸出株などを中心に利益確定売りや見切り売りも嵩み、じりじりと指数も上げ幅縮小となりました。

 後場も見切り売りが先行する形で軟調な始まりとなりました。それでも9500円を割り込むところでは底堅さも見られ、円高が進むということもなくなったことで、底堅さを確認しては戻る展開となりましたが、前日の終値を抜けると売られ、マイナスとなるところでは買われるというような方向感のない展開が続きました。自動車株などを中心に輸出株は買い戻しと見られる買いが入り堅調な展開となり、昨日よりは円高方向に振れたにもかかわらず内需株などが売られて指数を押し下げました。

 小型銘柄も軟調なものが多かったのですが、買戻しが入り難い分、冴えない展開となりました。東証マザーズ指数は大幅安に近い状況で、日経ジャスダック平均は昨日同様に動きはなく、小幅安となりました。先物は前場はまとまった売り買いも見られたのですが大きく方向感を出すような動きはなく、後場は閑散としたなかで、まとまった売り買いは散発的に見られるに過ぎず、方向感は見られませんでした。

 為替の介入継続も期待されたのですが、継続されなかったことでの失望感も出ていたものと思われます。逆にその割には円高が進まなかったということで、円高の影響が少ない銘柄に軟調となるものが多く、輸出株などは買戻しもあって堅調となるものが多く、相場に変化が見られるのかもしれません。米国や中国なども含めた為替政策の方向性に変化が見られないこともないのですが、米国では中間選挙まではドル安政策を維持しそうで、追加金融緩和期待も強く、大きく円安に振れ難い感じではないかと思います。それでも1ドル=85円水準を保っていれば、業績上振れとなる企業も多いのではないかと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 雲の中で、雲の上限で上値を押さえられるような展開となりました。「出会い線」となり、調整となりそうですが、「かぶせ線」という決定的な形でもなく、底堅さも見られるのではないかと思います。遅行線が基準線にサポートされ、日々線が雲の下限にサポートされて底堅さを確認してから、雲の上限を目指す動きとなってくるのではないかと思います。RSIの上昇が続いているので、もう一度雲の上限を目指しながら上値を押さえられて、ストキャスティックスが高値圏にあることから上値の重さを確認して、ストキャスティックスが落ち着くまで雲の下限のサポートを確かめるような動きとなりそうです。

TOPIX

NYダウ

 遅行線は日々線を抜けて、日々線も雲の上限を意識して上値を押さえられたものの、雲の下限ではサポートされて底堅くなっています。ただ、「かぶせ線」というような状況であり、RSIは上値余地があるものの、ストキャスティックスも高値圏からの調整となっており、雲の下限にサポートされるか、遅行線が日々線にサポートされながら、調整となるのではないかと思います。

円相場

NYダウ

 一気に上昇となり、基準線や転換線を抜けて来ました。遅行線は日々線に上値を押さえられており、ここでもう一段上昇となるのかどうかで今後の展開が変わって来そうです。それでもまだストキャスティックスやRSIは上値余地もあり、ようやく動き始めたところで過熱感もなく、堅調な地合いが続くものと思います。

銘柄ピックアップ

円売り介入が見られず見切り売りに押される

ABC マート(2670) 2508 ▼71

 介入効果で円安となったことが嫌気されて引き続き売られました。外資系証券が売上低迷を織り込んで投資判断は変更しなかったものの、目標株価を引き下げたことが嫌気されて売られ、軟調となりました。

エディオン(2730) 614 △9

 2010年4−9月期の連結純利益が前年同期比60%増となりそうだと新聞で報じられ、従来予想を大きく上回ることが好感されて買われました。

アクセル(6730) 2000 ▼500

 ストップ安まで売られました。昨日の引け後に2011年3月期単独業績予想を下方修正したことが嫌気されて見切り売りが嵩み、大幅下落となりました。

栗田工(6370) 2348 ▼17

 中国で水処理装置を相次いで受注したと新聞で報じられましたが、ここのところ上昇基調にあった事などから手仕舞い売りも嵩んで上値の重い展開から軟調となりました。

日バルカー(7995) 224 △11

 半導体製造装置や自動車向けの販売が伸びて封止材事業が急回復しており、今期連結営業利益が予想を上回りそうだと新聞で報じられて買われ大幅高となりました。

ソニー(6758) 2641 △45

 為替の影響が大きいと言われて、他の輸出関連銘柄軟調となった割には堅調な展開となりました。目先筋の買い戻しに加え、足元の携帯音楽プレーヤーの販売が順調と言われていることやその携帯音楽プレーヤーの新製品を発表したことなどが好感されているものと思います。

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