景気指数の発表などで売り先行、金融緩和期待で切り返して堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年09月16日 08時43分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10572.73△46.24

<NASDAQ>2301.32△11.55

<為替:NY終値>85.72-85.78

景気指数の発表などで売り先行、金融緩和期待で切り返して堅調

 朝方発表されたニューヨーク連銀景気指数が予想を下回ったことや鉱工業生産指数改定値も予想を下回ったことなどから売り先行となりました。ここのところの上昇で利益確定売りが出やすかったことや、日本の介入でドル高となったことから利益確定売り、見切り売りを急ぐ動きもあったものと思います。それでも、経済指標への反応も限定的で景気回復基調には変わりないと見られたことや来週開催されるFOMC(公開市場委員会)で、追加の金融緩和が期待されることや個別企業の好調な業績見通しを好感する動きもあり、堅調となりました。

 日銀の円売り、ドル買い介入の影響もほとんど見られずセンチメントが好転しているものと思われます。景気回復鈍化懸念も欧州での金融不安も一段落となり、好調な業績見通しを発表する企業が見られる一方で、芳しくなり経済指標が見られて過熱感もなく、更なる金融緩和期待が根強く、堅調となっています。ドル安効果からの景気の底堅さも見られ、諸々の不安が薄れれば買い戻しも入って来るものと思います。

 個別には7−9月期に自社株買いを実施したことを明らかにしたトラベラーズが上昇、好調な長期の業績見通しを発表したクラフト・フーズも買われ、前日に配当を始めて実施すると伝えられたシスコシステムズも高くなりました。ヤフーが大幅高となるなどハイテク銘柄も軒並み高となりました。金融株もJPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカが堅調となるなど高いものが多く見られました。一方投資判断が引き下げられたマイクロン・テクノロジーズが安く、エクソン・モービルなどの石油株も軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は前場に為替介入があり、円安を好感して大幅高となりました。ハイテク銘柄など輸出銘柄が中心ではあるのですが、買戻しを交えながら大幅高となるものも多く、ほぼ全面高となりました。ただ、まだ買戻しが中心で市場参加者も増えず、後場の安値で引けるなど、介入効果がどこまで続くのか疑問視する向きも多かったものと思います。それでも円高懸念が薄らぐと割安感が強まる銘柄も多く、指数は大幅高となりました。

 為替の介入効果が持続していることや米国株が堅調なことから昨日の大幅高の反動というよりは、大幅高要因が継続しているとして堅調な展開が期待されます。円高による収益の悪化などが懸念されて割安水準まで売られすぎていた銘柄も多く、買い戻しや買い直しも期待されます。まだまだ水準としては「円高水準」ではあるのですが、更なる円高懸念が薄れたことで、見直されるものも多いと思われます。ハイテク銘柄の一角や商社株、非鉄株など割安感が強まっている銘柄は少なくとも底堅さは見られるものと思われ、堅調な展開が期待されます。

 一気に節目と見られる9500円〜600円水準まで戻りました。今度はこの水準が上値として下値を試しに行くのか、この水準で底堅さを確認しながら次の節目と見られる9800円〜900円水準を一気に試しに行くのかと言うところです。いったんは9500円〜600円水準あるいはもう一段上値の水準まで上昇となると目先的な過熱感も出て上値も重くなりそうです。底入れ感は強まったものと思われ、ここからは下がったとしても当面は9200円〜300円水準が下値となりそうです。

本日の注目点

◇7月の第3次産業活動指数(経産省)

◇白川日銀総裁講演

◇6−8月の香港失業率

◇9月のフィラデルフィア連銀景気指数

◇8月の米卸売物価指数(PPI)

◇8月の北米地域の半導体製造装置BBレシオ

◇7月の対米証券投資

◇4−6月期の米経常収支

◇ニュージーランド準備銀行が政策金利発表

◇インド準備銀行(中央銀行)政策決定会合

◇スイス中銀政策金利発表

◇海外6−8月期決算:オラクル、フェデックス、リサーチ・イン・モーション(RIM)

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