為替介入で円安となったことを受けて大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年09月15日 16時07分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9516.56円 △217.25円
売買高 23億5804万株
日経平均先物 9470円 △220円
売買代金 1兆6736億円
TOPIX 848.64 △13.77
値上がり銘柄 1180銘柄
東証マザーズ指数 377.78 △1.52
値下がり銘柄 334銘柄
日経ジャスダック平均 1181.55円 ▼1.01円
変わらず 147銘柄
騰落レシオ 109.72% △12.69%

日経平均

為替介入で円安となったことを受けて大幅高

 米国市場はまちまち、為替も大きな動きはなく円高気味ということで売り先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越しと伝えられたものの、政策待ちと言うこともあり、手仕舞いの売り買いが中心で方向感のない展開となり、為替がじりじりと円高に振れたことで下げ幅を拡大、大幅安となりましたが、円売りドル買い介入が入ると一気に円安に振れその動きを見て先物主導で一気に大幅高となりました。為替介入に驚いて買い戻し損ねるような動きもありましたが、買い一巡後も値持ちの良い展開となりました。

 後場も一段と買戻しを急ぐ動きもあり、一段高の始まりとなりました。節目と見られる日経平均9500円〜600円水準まで一気に上昇し、9500円台での動きとなりました。為替も1ドル=85円を超えるところでは押し戻され、小動きとなり、日経平均も小動きとなりました。値持ちが良いと言えば良いわけで、まだまだ買戻しが主体なのでしょうが、雰囲気も変わりつつあるような感じです。最後まで買戻しや打診買いも見られ、値持ちの良い展開となりました。

 小型銘柄も堅調となるものが見られましたが、主力銘柄が先物主導、買い戻し主導で大きく上昇となるなかで値動きが悪く、値動きの悪さを嫌気する売りに押されるものも見られました。東証マザーズ指数は堅調となったものの上値が重く、日経ジャスダック平均はほぼ横ばいと冴えない展開となりました。先物は為替介入が見られると買戻しを急ぐ動きやヘッジの買いが入り一気に指数を押し上げる要因となりました。後場も買戻しが主体とは言え、ヘッジの買いを交えながら値持ちが良く、指数を支えるような展開となりました。

 先物主導で指数が押し上げられましたが、節目と見られる9500円〜600円水準まで一気に戻った格好です。ただ、まだまだ市場参加者が増えたわけでもなく、海外での為替の動きなどをにらみながらということになるのでしょう。円安効果から日本の景気拡大が見えてくるまでは本格的な上昇とはならないのでしょう。とりあえずは当面の下値が9200円〜300円水準ということが確認できたということなのだと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 雲の水準まで一気に戻りました。遅行線が日々線を抜けたと見てもよく、底入れ感は強まったものと思います。ただ、遅行線が絡む日々線が下落となっていることやRSIは上値余地があり上昇が続いているものの、ストキャスティックスは高値圏にあり、いったん雲の下限に絡みながら、遅行線が日々線のサポートを確認しながら調整となるのではないかと思います。

TOPIX

NYダウ

 遅行線が日々線を抜けかかっています。日々線は雲に上値を押さえられた格好であり、遅行線が日々線のサポートを確認するように日々線が雲の下限に上値を押さえられるように調整となる可能性もありそうです。RSIは上値余地があり、上昇が続いているのですが、ストキャスティックスは高値圏にあり、いったん上値の重さを確認して、調整となりそうです。

円相場

NYダウ

 下値を試す動きとなってきました。RSIもまだ下値余地があり、ストキャスティックスも下落となってまだ底入れという感じでもないのですが、この水準から戻れば、今度はいったん底入れ感も出てくるのではないかと思います。それでも、まずは転換線を抜けるのかどうかが試され、基準線には上値を押さえられてしまうものと思います。急落となる場面では反発も期待できそうです。

銘柄ピックアップ

円売り介入を好感してほぼ全面高

トヨタ(7203) 3010 △111

 特に材料の無いなかで、売られ過ぎの修正などから堅調となっていたのですが、日銀の円売り介入が見られると先物に引きずられながら円安を素直に好感する動きから買いが入り大幅高となりました。

クラリオン(6796) 161 △2

 昨日の引け後に2010年4−9月期連結最終損益が従来予想の赤字から一転して黒字となったことが素直に好感されて買われ、大幅高となりました。

三井造(7003) 194 △4

 国際海運の分野で新しく建造する船舶を対象に二酸化炭素の排出量削減を義務付ける方向と新聞で報じられ、環境負荷の低い「エコシップ」に強い日本の造船各社に恩恵があるとして買われました。

JR東日本(9020) 5350 ▼10

 特に売り材料があったわけでもないのですが、持高調整の売りに押されて軟調となりました。為替介入でほぼ全面高となるなかで、目先の需給要因で売られた格好です。

アドバンテ(6857) 1701 △51

 メモリーテスターの拡大が予想できないとして外資系証券が投資判断を最上位から最下位に引き下げがことが嫌気されて売られましたが、地合いの好転、指数が押し上げられる中で買われ、大幅高となりました。

JUKI(6440) 157 ▼4

 昨日固定資産売却に伴う特別利益を2010年4−9月期に計上すると発表、4−9月期および2011年3月期通期の収益予想は今後公表するとしたことから、ここのところ上昇となっていたこともあり、利益確定売りが嵩んで軟調となりました。

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