堅調な経済指標や好決算に反応して底堅い堅調な展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年09月15日 08時43分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10526.49▼17.64

<NASDAQ>2289.77△4.06

<為替:NY終値>83.04-83.1

堅調な経済指標や好決算に反応して底堅い堅調な展開

 ダウ平均は軟調となりましたが、底堅く、ナスダック指数は堅調となりました。朝方発表された小売り売上高は予想を若干上回り、堅調な景気回復が確認されました。加えて、好決算を発表する銘柄も見られ、個人消費の回復期待が高まり、堅調となる場面もありました。さすがに目先的な過熱感もあり、利益確定売りに押されましたが、出遅れていたナスダック指数が堅調となるなど、景気回復鈍化や金融不安が薄れたことで、センチメントも好転しているものと思います。

 懸念されたほど景気も悪くなく、経済指標もそれほど悪くはないのですが、まだ金融緩和期待もあるようです。エコノミストが追加緩和があるのではないかとの見方を示すと相場が反応してしまうように、足元の景気、企業業績はいいのだが、どこまで続くのか疑心暗鬼となっているようです。それでも、雇用や個人消費に対する懸念も徐々に薄れており、追加の緩和をしなければならないほど悪いと悲観的に見ることもなく、楽観的な見方となって来ているようです。

 個別には朝方発表されたベスト・バイの決算は1株利益が予想を上回り素直に好感されて買われ、大幅高となりました。小売り売上高が予想を上回ったことからJCペニーやギャップが大幅高、メーシーズも堅調となるなど個人消費関連銘柄が堅調となり、配当を実施することが示されたシスコシステムズも堅調となりました。金先物価格が最高値を更新したことで、ニューモント・マイニングが大幅高、パブリック・ゴールドも高く、原油先物価格は下落となったのですが、ガソリンの売り上げが好調とされたこともあってエクソン・モービルやシェブロンも高くなりました。前日大幅高となったJPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなどの金融株やキャタピラーなどの景気敏感株は軒並み利益確定売りに押されて軟調となりました。それでも、インテルが高くなるなどハイテク銘柄はまちまちとなりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高などから堅調な展開が期待されたのですが、円高を嫌気する動きなどから売り先行となり、一時堅調となる場面もあったのですが冴えない展開となりました。外国人も買い越し基調ということもあり、売り急ぐような動きも少なく、下げ幅も限定的となったのですが、円高メリット銘柄などにも手仕舞い売りが出るなど終始売りが優勢となりました。

 米国株は底堅い堅調な展開となっているのですが、為替が対米ドルで円高に振れたことから売り先行となりそうです。民主党首選の影響はほとんどないものと思われますが、政策不在解消が好感されることもなく、引き続き円高対策や経済対策への期待と不安が交錯する格好で積極的な売り買いには乏しい展開が続くものと思います。昨日の相場と同様に円高にもかかわらず、海外での製造などでしっかりと収益の上がる銘柄や金先物価格の上昇を受けた商社株や非鉄株などが物色される可能性がありそうです。為替の影響の少ない内需銘柄も期待出来そうです。

 日経平均は引き続き9200円〜300円水準の節目でのもみ合いとなりそうです。この水準が上値となってしまうのか、下値となるのかを確かめる状況となっており、円高が進んでも9200円台を保てるのか、円安となっても9300円水準を抜け切れないのかを試すことになりそうです。当面は9000円台前半での動きと見ておいてもいいのではないかと思います。

本日の注目点

◇西村日銀副総裁がユーロマネー主催のコンファレンスで講演

◇野田日銀審議委員が下関市で講演、会見

◇アーミテージ元米国国務副長官が日本記者クラブで会見

◇ジャスダック上場:フーマイエレ(3165)

◇9月のニューヨーク連銀景気指数

◇8月の米輸出入物価指数

◇8月の米鉱工業生産

◇8月の米設備稼働率

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.