銀行規制懸念や中国景気減速懸念が薄れたことが好感されて大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年09月14日 08時54分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10544.13△81.36

<NASDAQ>2285.71△43.23

<為替:NY終値>83.72-83.78

銀行規制懸念や中国景気減速懸念が薄れたことが好感されて大幅高

 銀行の自己資本規制が予想ほど厳しくないとの見方や中国の鉱工業生産指数が予想を上回り、中国景気の減速懸念が薄らいだことが好感されて堅調、ナスダック指数は大幅高となりました。銀行規制の懸念が薄れてリスク許容度が高まり、信用収縮懸念が薄れたことで、リスク選好の動きが出たことも株式市場にはプラスに働いたものと思います。ただ、欧州金融不安が後退したことで、相対的な高金利であるユーロを買い、ドルを売る動きでドル安が一段と進みました。

 米国景気の先行きに対する懸念が薄れたことで株が買われたのですが、同時に米国債券も値ごろ感から買われたのですが、一方で低金利のドルが売られるというよなちぐはぐな動きとなりました。とりあえずは株価も大きく上昇するものも多かったのですが、金利や為替などの動向をにらみながら波乱の動きとなる可能性もありそうです。世界的にリスク許容度が高まれば、リスク資産である株式市場にもっと資金が流入して来るものと思います。

 個別には銀行の自己資本規制が予想ほど厳しくないことが素直に好感されてJPモルガン・チェースが大幅高、バンク・オブ・アメリカやシティグループも堅調となるなど金融株は軒並み高となり、景気回復鈍化懸念が薄れたことでインテルやマイクロソフトが大幅高、IBMやアップルも堅調となるなどハイテク銘柄も高く、アルコアが大幅高、キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)も堅調となるなど景気敏感株も高くなりました。投資判断の引き下げのあったエクソン・モービルは軟調、ディフェンシブ銘柄のコカ・コーラは利益確定売りに押されて小安くなりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は週末の米国株高や世界的な景気鈍化懸念が薄れた事などを好感して買い先行となり、一時大幅高となるなど堅調となりました。相変わらず盛り上がりに欠ける展開で売買高も少なく、最後は利益確定売りや見切り売りに押されて上げ幅縮小となりましたが、外国人も買い越し基調となり、持高調整の売り買いも大きく売りに偏ることもなく堅調な地合いとなっています。

 米国市場が堅調、ナスダック指数が大幅高となったことから堅調な展開も期待されますが、ユーロは堅調となったもののドルに対して円高が進んだことやシカゴ市場(CME)の日経平均先物の上値が重いことから堅調ながらも上値の重い展開となりそうです。世界的な景気減速懸念は残るものの目先的にはリスク許容度も高まり、堅調な展開は期待されそうです。ハイテク銘柄は対ドルで円高となったことで、上値の重いものも見られそうですが、商社株や非鉄株などリスク許容度の上昇に敏感な銘柄が物色される可能性もありそうです。

 日経平均は9300円台で引けたことで底入れ感が出てきました。本日も円高ドル安を嫌気する動きもあるのでしょうが、堅調な展開は期待され9200円〜300円水準での底堅さは確認できそうです。9500円〜600円水準の節目を目指す動きとなるのかどうか、しっかりと9300円台を保てるのかどうか注目されます。本日も9300円台以上で引ければ、9500円〜600円水準の節目を目指す動きとなりそうです。

本日の注目点

◇民主党代表選の投開票

◇8月の首都圏・マンション市場動向(不動産経済研究所)

◇7月の鉱工業生産指数確報(経産省)

◇20年物国債〔9月債〕入札

◇8月のインド卸売物価指数

◇9月の欧州経済研究センター(ZEW)のドイツ景気予測指数

◇8月の米小売売上高

◇7月の米企業在庫

◇海外6−8月期決算:ベスト・バイ

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