世界的な景気鈍化懸念が薄れ、為替の落ち着きもあって堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年09月13日 17時30分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 週末の米国市場が堅調となったことや円高一服となったことに加え、欧米や中国での景気回復、景気拡大が確認されたことで、買戻しなどを交えて買い先行となりました。外国人も買い越しと伝えられたことや持高調整の売り買いが中心となったなかで、買戻しを急ぐ動きもあり、買い一巡感から上値も重くなる場面もあったのですが、堅調な地合いが続きました。まだまだ売買高も増えず盛り上がりには欠ける展開が続いていますが、底入れ感も強まってきたものと思います。

 先週の土曜日に三越百貨店の銀座店が鳴り物入りで新装オープン、出だしはまずまず好調とうことのようです。ただ、実際に行って見るとそれほど衣料品などが買われている雰囲気でもなく、靴売り場などは店員が手持ち無沙汰でたたずんでいる姿も見られました。「消費」が盛り上がらないことが、景気の回復の実感がないと言うことでしょうし、消費が盛り上がらない理由として雇用の問題なども取り上げられているものと思います。

 米国でも輸出主導で雇用や企業業績に対する不安をなくし、その結果として安心してお金が使える、つまり消費が増えると言う方向にあるといえるでしょう。中国でも元を安く放置してかつて日本がそうであったように、「世界の工場」として企業収益を上げ、その結果として個人が豊かになり、消費が増えているのです。中国の例でも米国の例でも決して個人にお金をばら撒いて消費をさせようということでもなく、ましてや増税をしてお金をばら撒くということではないのです。

 もちろん、米国や中国はまだまだ人口が増え、日本は人口が減少しているということが根底にはあるのですが、「お金を使わない」こと「借金をしないこと」を美徳と考えるのではなく「経済を拡大すること」を美徳とするように考えても良いのではないかと思います。もっと、もっとお金を使える人が使うようにならないと、お金のめぐり=血の巡りが悪くなって病気になってしまうと言うことなのでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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