1+1を2より大きくするために――スター社員の仕事術(2/2 ページ)

» 2010年09月10日 08時00分 公開
[今野誠一,Business Media 誠]
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行き詰まったら知恵を集めて、考え直す

 何かを一緒にやっていく時に、今後の方向性を決めたり、新しいアイデアを練って事態を進展させたりするためには、話し合いが潤滑油となります。意見の相違がなかなか埋まらずに膠着化したり、最初から場が活性化せず、特定の人の考え方に場が支配されて行き詰まりを迎えたりすると、チーム内の協力のムードが水を差されるというのはよくあることです。

 相乗効果を発揮するためには、そうした話し合いの時に、関係者が満足できるレベルまで妥協せずに話し合いを続けることがとても大切になります。色々な立場の人が集まって話し合う際には、アイデアが十分に出るように話し合いの仕方を工夫する必要があります。こういう時、会議の参加者は、アイデアを出さなくてはならないテーマについて、いきなり話し合うのではなく、個人で考える時間を設けて紙に書きます。

 各自の意見やアイデアを十分紙に書いたところで、議論に入ります。こうした単純な方法でも、効果は絶大です。

我を張らない

 チームでアイデアを出し合い、何かを決めたり、生み出したりする場合に、我を張る人が1人でもいると、チームの生産性は急激に落ち、非常に迷惑な存在になってしまいます。我を張る人は変なプライドにしがみつく傾向があり、得てして視野が狭く、心が狭く、全体の有益にまで目が向かないものです。素直に間違いを認めるという気持ちにもなかなかなれないのです。

 成長するチームや成績のいいチームは、我を張る人がいないだけでなく、自分の意見やアイデアに固執せずに、会議の場を通じて第3、第4の案を作り上げていく柔軟さとエネルギーを持ち合わせているものです。

 分かりやすく、2人で話し合いをしている場合を想定すると、「この両者が論争して、どちらが正しいかを決めていく」というコミュニケーションでは、発展性がありません。

 そうではなく、お互いの意見の組み合わせで、さらにいい案に発展させることが必要です。最初のお互いの案にこだわる気持ちを捨てて、その場にないC案、D案を生み出していくことができるチームが強いのです。(今野誠一)

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