ちきりん:いわゆる“かわいそうな人”を語る場合、マスメディアの人は昔の概念で語りますよね。例えば「高齢者はかわいそう」「女性はかわいそう」といった感じ。でも現実を見ると、高齢者よりもかわいそうなのは若者。女よりもかわいそうなのは男だったりする。
ところがこのことはひとつ上の世代の人には、なかなか伝わらない。なぜかというとテレビも新聞も出版も、ひとつ上の世代の人たちが牛耳っているから。そのため若者がかわいそうという感覚が、なかなか生まれにくい。
でも新しいメディア……例えばネットニュースやブログで多くの人が「若者がこんなに大変」と書いていけば、そうした声を大きくできるのかなとも思っています。
団塊の人もバブル世代の人も、別に若者を虐げたいとは思っていない。ただ自分たちよりも若者の方がかわいそう、ということが信じられないんだと思うんですよ。なぜかというと彼らは今の自分と若いころの自分を比べるので、「もし自分が20歳であればどれだけハッピーか」と考えてしまう。なので「若者が不幸だなんてあり得ない」となる。
赤木:かもしれませんね。
ちきりん:ネット上の言論や実例で「若者はこんだけ不幸なんだ!」といった内容がどんどん出てくれば、それをみて「確かに“今の若者”はかわいそうだ」と理解する人が増えてくるかもしれない。そういう意味でネットメディアを読む人が増えるといいかな、と思っています。
赤木:ただ団塊世代やバブル世代の人がネットメディアを見なければ、意味がありません。またネット上ではアフィリエイトのシステムがあるので、個人ブロガーもアフィリエイトを買ってくれる人に向けて書いている傾向があります。例えばニュースサイトではヘッドラインに刺激的な内容を書いたほうが注目を浴びる傾向があります。その結果、アフィリエイトの売り上げが上がるので、あえて刺激的な内容を書いたりしている。
ちきりん:そうなんですか?
赤木:あおっているほうが、簡単ですしね。ちょっと考えれば論理的に破たんしている内容は、たくさんありますが。
ちきりん:まるで「Chikirinの日記」のことを責められているような気がしますね(笑)。
赤木:もはやブログは、“お客”を意識したモノになっています。
ちきりん:なるほど。
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