大幅下落の反動から反発、景気刺激策も反応は限定的清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年09月09日 09時10分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10387.01△46.32

<NASDAQ>2228.87△19.98

<為替:NY終値>83.87-83.93

大幅下落の反動から反発、景気刺激策も反応は限定的

 前日の大幅下落の反動から買い先行、欧州金融不安も薄れ、売られ過ぎの修正もあって投資判断の引き上げなどに素直に反応する展開となりました。地区連銀経済報告(ベージュブック)も発表されましたが、特に材料視されるような新しい内容もなく、大統領が追加の経済刺激策を発表しましたが、規模が限定的とされ、市場の反応はほとんどなく、前日の大幅高の反動など、持高修正が中心となっていたようです。

 一部のハイテク銘柄などには業績の先行きに対して懸念も見られるようですが、総じて見ると景気回復が順調に行っているようにも思われます。景況感と実際の景気回復のギャップはあるのでしょうが、ドル安メリットも出ているものと思われます。商品相場も底堅い堅調な展開が続いており、信用収縮懸念も薄れており、業績好調な銘柄などは素直に物色されてくるようです。今後も引き続き個人消費や雇用、住宅関連の指標が好転しているのか改善しているのかなどをにらみながらの展開となって来るのでしょう。

 個別には投資判断と目標株価が引き下げられたインテルが軟調、同様に投資判断が引き下げられたHP(ヒューレット・パッカード)も売られました。ただ、ハイテク銘柄全般の売りにはつながらず、目標株価の引き上げられたアップルやグーグル、IBMなどは堅調となりました。逆に投資判断が引き上げられたコストコ・ホールセールが高く、連れてホーム・デポなど消費関連銘柄にも高いものが見られました。景気判断にも変更はにないことから、改めて景気回復を織り込むように景気敏感銘柄も堅調で、キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)、アルコアなども堅調となりました。

 

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株安や円高を嫌気した売りに押されて大幅下落、外国人も売り越しと伝えられたこともあり、また、先物・オプションのSQ(特別清算指数)の算出を控えた思惑などから「株売り、債券買い」のような持高調整の売り買いもあってほぼ全面安となりました。円高に対する政府・日銀の対応が見られないことから、機械受注などの経済指標への反応はなく、総じて売り先行となりました。

 米国株が反発となったことや為替が落ち着いていることに加え、昨日の大幅下落の反発もあって買い先行となりそうです。米国株の戻りも為替の戻りも鈍いことから上値も限定的となりそうですが、先物・オプションのSQ(特別清算指数)算出を前に波乱含みとなるかもしれません。為替次第と言うことにもなりそうですが、引き続き経済要因と言うよりは目先の需給に振らされる展開となるものと思われます。円高の影響で業績が悪化すると懸念されて売られすぎた銘柄や円高メリットがあるにもかかわらず、目先の需給で売られた銘柄などの反発が期待されます。

 昨日の大幅下落で日経平均は9200円〜300円水準が上値となった格好となりました。目先の需給が悪化すると8800円〜900円水準の下値を探る展開となり、本日のように大幅下落の反発、円安方向に振れた反発となると9200円〜300円を目指すということになりそうです。7−9月期の決算動向が見えて、「思ったほど悪くない」と言う業績を評価するような展開になれば9200円〜300円水準を下値に9500円〜600円を目指すことになるのでしょう。

本日の注目点

◇7〜9月期の法人企業景気予測(内閣府・財務省)

◇8月の東京都心オフィス空室率(三鬼商事)

◇8月の消費動向調査(内閣府)

◇2〜7月期決算=積ハウス(1928)

◇7月の米貿易収支

◇英中銀金融政策金利発表

◇8月の豪失業率

◇韓国中銀政策決定会合

◇米30年物国債入札(銘柄統合)

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