コラム
» 2010年09月08日 08時00分 UPDATE

あなたの努力が報われない時、どう考えるべきなのか? (1/3)

あなたが今やっている努力や精進は、将来「グラン・ジュテ」(大きな跳躍)を呼び起こすのだろうか? 世の中には、努力が結果として報われる人もいれば、そうでない人もいる。「報われる人生」のためには何が重要なのか。

[村山昇,INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

著者プロフィール:村山昇(むらやま・のぼる)

キャリア・ポートレート コンサルティング代表。企業・団体の従業員・職員を対象に「プロフェッショナルシップ研修」(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)を行なう。「キャリアの自画像(ポートレート)」を描くマネジメントツールや「レゴブロック」を用いたゲーム研修、就労観の傾向性診断「キャリアMQ」をコア商品とする。プロ論・キャリア論を教えるのではなく、「働くこと・仕事の本質」を理解させ、腹底にジーンと効くプログラムを志向している。


 NHK教育テレビで「グラン・ジュテ〜私が跳んだ日〜」という番組がある。さまざまな女性の職業人生を追っているヒューマン・ドキュメンタリーで私は見るたびにさまざまなエネルギーをもらっている。

 「プロジェクトX」のように壮大なドラマ仕立てでなく、「情熱大陸」のように超有名人を扱っているわけでもない。どちらかといえば、普通の人が職業人生を切り開いていく物語で、自分と等身大のスケールで見ることができる。だから余計に現実味を帯びたエネルギーをもらえるのだ。

 「ロールモデル不在」とそこかしこで言われる日本社会だが、こういった番組は多くの人に視聴を勧めたい。登場する彼女たちの生きざまや働きざまはロールモデルに十分に成り得る。中学生くらいからでも、どんどん見せたらいいと思う(今の子どもたちは、想いにひたむきな生き方、志に向かう真剣な大人の姿をあまりに目にしていない)。

 番組タイトル名のグラン・ジュテとは、「大きな跳躍」という意味だ(バレエの専門用語から取っているという)。毎回登場する主人公は、さまざまなきっかけや出来事によってその世界に入り、苦労や忍耐を重ねる。小さな成功に有頂天になる時もあるが、その後長く続く、本当の試練にさらされて、次第に天狗鼻も削り落とされてゆく。その下積みのようなプロセスを番組は丁寧に追っている。

 その下積みの間の心理変化や、主人公のあきらめない心の持ちようこそが、この番組の一番の肝である。私もそこに強い関心を持つ。

 番組のタイトル通り、番組の後半ではそうした苦境を乗り越え、主人公には晴れてグラン・ジュテの瞬間が訪れる。そこから彼女たちは、仕事のステージががらりと変わり、成功へのキャリアストーリーが始まる。それはもう番組作り上の華のようなもので、また視聴者にとっては必ずあってほしいカタルシスのようなもので、「あぁ、よかった、よかった」となる。

 ……しかし私たちは、この番組ではグラン・ジュテがあることをあらかじめ知っているからこそ、安心して見ていられる。番組は必ずハッピーエンドで終わってくれるのだ(だからこそ番組化された)。

 さて問題は、現実の自分自身の人生やキャリアを振り返った時である。自分が今、報われない環境にあったり、苦境やどうしようもない停滞に陥っていたりするとしよう。この下積み状態はいったいいつまで続くのか? どこまで努力し、耐えたら、自らのグラン・ジュテが訪れるのか?

 いや、ひょっとすると、現実の自分の人生やキャリアにはグラン・ジュテなど起こらないかもしれない。努力が結果として報われない人生など、周辺にいくらでも転がっているのだ……。今回はそんなことを前置きとしながら、「努力が報われる人生とは何か」を考えてみたい。

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