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» 2010年09月08日 08時00分 UPDATE

それゆけ! カナモリさん:カロリーメイトのCM「イエローマン」が狙う“残り半分”の顧客 (1/2)

「健やかなる君よ〜♪」と元気が出そうな、どこかで聞いたことのある歌声が応援のメッセージを送ってくれる大塚製薬・カロリーメイトのCM。共感者も多く、大評判である。

[金森努,GLOBIS.JP]

それゆけ! カナモリさんとは?

グロービスで受講生に愛のムチをふるうマーケティング講師、金森努氏が森羅万象を切るコラム。街歩きや膨大な数の雑誌、書籍などから発掘したニュースを、経営理論と豊富な引き出しでひも解き、人情と感性で味付けする。そんな“金森ワールド”をご堪能下さい。

※本記事は、GLOBIS.JPにおいて、2010年9月3日に掲載されたものです。金森氏の最新の記事はGLOBIS.JPで読むことができます。


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 「健やかなる君よ〜♪」と元気が出そうな、どこかで聞いたことのある歌声が応援のメッセージを送ってくれる大塚製薬・カロリーメイトのCM。

 <カロリーメイト テレビCM 健やかなる君へ(夏)編(参照リンク)

 CMを印象的にしているのは、ここ数年キャラクターとして登場している「イエローマン」だ。衣装はカロリーメイトの商品パッケージと同じ真っ黄色に太めの黒いラインが印象的な上下セットのジャージ。1978年公開の映画「死亡遊戯」でブルース・リーが着用していたトラック・スーツと同じデザインなのは有名な話だ。それを着てイエローマンにふんするのは、個性派俳優の荒川良々である。

 このイエローマンは2007年から続いているロングランシリーズだ。昨年までのCMではイエローマンが、瑛太や森山未來、香里奈らが食事をとり損なうシーンで、カロリーメイトを少し意地悪な様子で見せつける「そこは持っとかないと。編」がシリーズで制作されていた。

 「健やかなる君へ(夏)編」では、ビジネスシーンでさまざまな不条理に翻弄される若手ビジネスマンを、イエローマンが優しく応援する。応援歌とも言える「健やかなる君よ〜♪」の歌声の主は近藤房之助。アニメ「ちびまる子ちゃん」のかつてのテーマソング、『おどるポンポコリン』の「パッパパラリラ〜」の人である。

 田中圭演じる若いビジネスマンが、取引先に「こないだの話と全然……」と切り出すと、「あれ、そうだっけ」。「こないだ言われた資料です」と資料を手渡すと、「あれ、もういいわ」。「自分で考えて動け」としかられれば、今度は「言われた通りにして」と指摘を受ける。デスクの前で深いため息をつく彼の前にイエローマンが現れ、「話が違うからって、クサルなよ!」。思わず、共感を覚えてしまう。

 さてカロリーメイトのCMには大塚製薬のどのような意図が込められているのだろうか。

 カロリーメイトの現状を知ることができる面白い調査が先頃発表された。インターネット調査のマイボイスコムが2010年7月に行った自主調査「バランス栄養食品(第3回)」である。

 同様のテーマで各調査会社が自主調査を行っているが、各調査とも毎回、利用経験、利用意向の1位と2位を占めるのは大塚製薬の2商品「カロリーメイト」と「ソイジョイ」である。今回のマイボイスコムの調査では、「1年以内で最もよく利用したバランス栄養食品」は、「カロリーメイト」が18.7%、「ソイジョイ」が15.9%とトップ2となっている。

 バランス栄養食品利用者の中で見れば、カロリーメイトとソイジョイを合わせればシェアは70%近くなり、「クープマンの目標値」で考えれば大塚製薬が絶対安定的な首位を占める「独占的市場シェア」を取っていることになる。

 ちなみにソイジョイは2006年に上市され、順次フレーバーを拡大しているが、2010年4月26日付週刊流通ジャーナルによれば、「カニバリはなく市場が再度活性化され、『カロリーメイト』ブロックは順調な伸びを見せている」という。

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