昨日の大幅高の反動や円高を嫌気、手仕舞い売りに押されて軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年09月07日 16時16分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場が休場となり、手掛かり難のなか昨日の大幅高の反動や円高気味であることが嫌気されて売り先行となりました。持高調整の売り買いが中心となる中で、底堅さが確認されると買戻しを急ぐ動きもあり、一時堅調となる場面もあったのですが、積極的な売り買いには乏しく、利益確定売りや手仕舞い売りに押されて軟調となりました。節目と見られる9200円水準では下げ渋り、底堅さもみられましたが、為替動向が気になり、最後まで買い切れないということのようです。

 相変わらず目先筋の売買が中心で目先の需給に振らされる展開となっています。日銀の金融政策決定会合でも特に目新しい材料が出たわけでもなく、一斉に手仕舞い売りが出たようです。最近の相場では同じ業種の中で高安まちまちとなるような、いわゆる「ロング−ショート」と言われる売り買いをセットにしたと見られる動きとなるケースや円高メリット銘柄も円安メリット銘柄もいっしょに売られ、いっしょに買われるケースが多いような気がします。

 相場の方向性、経済動向の方向性、政策の方向性など経済情勢の方向感がないことが「売り」となったらいっせいに売られ、「買い」となったらいっせいに買われる状況となっているのでしょうし、日中の動きでも為替動向ばかりを気にして、円高になれば何でも売られ、円安になれば買われるという動きになっています。そして、そうした為替に動きがない、あるいは先物に動きがなくなるとぱったりと動きが止まることも多く、目先の動きについて行こうという売買が中心となっているようです。

 このコラムで何度も述べているのですが、目先の動きについて右往左往しながら株式を売買して利益を上げることもいいのでしょうが、来年の今頃の世界の情勢や来年春頃の経済情勢などを考えながら投資をすると言うことはないのでしょうか、収益が安定して、財務状態も問題はないにもかかわらず、PBR(株価純資産倍率)やPER(株価収益率)、そして配当利回りなどが割安といわれる水準に放置されているものも多く、目先の株価ばかりを気にしても逆に先が見えなくなることも多いのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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