ビザ発給条件の緩和で、2010年の訪日中国人消費金額は前年比7割増

» 2010年09月07日 15時16分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 矢野経済研究所は9月7日、「訪日中国人の消費動向に関する調査結果 2010」を発表、2009年に訪日中国人が日本に与えた経済規模は前年比1.1%増の1379億円と推計した。

 分野別に見ると、物品(主にお土産)購入費の市場規模が同1.4%増の799億円、物品購入費以外の市場規模が同0.7%増の580億円。矢野経済研究所では「訪日中国人は宿泊費や飲食費より物品購入費に費用をかける傾向があり、日本国内に与える経済効果としても、物品購入費の割合が大きい」と分析している。

 2008年と2009年の訪日中国人数は、世界的な経済不況の影響と、新型インフルエンザの流行で落ち込んだが、2010年は7月に中国人の個人観光ビザ発給要件が緩和されたことから増加を予想。日本に与える経済規模を前年比71.6%増の2367億円と見込んでいる。

訪日中国人が日本に与える経済規模推移(出典:矢野経済研究所)

訪日中国人が買った日本商品

 どんな日本商品の人気が高いのだろうか。過去1年以内に訪日経験がある中国人男女に「日本で購入した商品」を尋ねると、最も多かったのは「デジタルカメラ・付属品」で60%。以下、「化粧品」が41%、「家電製品」が35%、「オーディオ製品」が34%、「時計」が29%、「洋服」が29%で続いた。

 矢野経済研究所では「デジタルカメラのケースや化粧品は、知人や家族へのお土産用としてまとめ買いされるケースも見受けられる」とコメントしている。

(上海、北京、広州在住の過去1年以内に訪日経験がある中国人男女が)日本で購入した商品(出典:矢野経済研究所)

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