経済指標の改善が続き景気回復鈍化懸念が薄れて堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年09月03日 08時56分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10320.10△50.63

<NASDAQ>2200.01△23.17

<為替:NY終値>84.27-84.33

経済指標の改善が続き景気回復鈍化懸念が薄れて堅調

 朝方発表された仮契約住宅販売指数が予想に反して上昇、新規失業保険申請件数も減少となったこと、また、主要小売り各社の既存店売上が全体として予想を上回ったことから堅調な展開となりました。朝方は前日の大幅高の反動や週末の雇用統計の発表を控えた手仕舞い売りなどに押される場面もあったのですが、底堅さが確認され、また、欧州景気の回復が期待されることから信用収縮懸念が薄れて商品相場も堅調となり、買い戻しを急ぐ場面もありました。

 週末の雇用統計の発表次第ではまたセンチメントが下を向いてしまう可能性もあるのですが、企業業績はドル安メリットもあり、堅調、と言うなかで経済指標にも改善が見られたことで、底入れ感も出てくるものと思います。景気回復鈍化に対する懸念も過剰に反応しすぎた反動もあるものと思われ、堅調な地合いが続きそうです。雇用統計の数字が芳しくなくても世界的な経済拡大の中での企業業績の底堅さを見直す動きになるのかもしれません。

 個別には身売りで合意したバーガーキングが急騰、3PARも堅調となるなどM&A(企業の合併・買収)に絡む銘柄が堅調、景況感の好転や住宅指標の改善からホーム・デポなども高く、キャタピラー、GE(ゼネラル・エレクトリック)、アルコアなどの景気敏感銘柄も堅調となりました。JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカも引き続き堅調、原油価格が高いことからエクソン・モービルやシェブロンも高くなりました。IBMは軟調となったのですが、インテルやアップルなどハイテク銘柄も堅調なものが多くなりました。JCペニーは既存手売上高が予想を上回ったことから大幅高、メーシーズも予想を小幅に上回り堅調、ノードストロームは予想を大きく上回り大幅高、サックスは予想を下回ったものの大幅高となるなど百貨店株は軒並み堅調、ターゲットも予想を下回ったものの株価は堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高を好感して買い先行となりました。ただ、円高一服となっていたものが再度円高気味となったこともあり、上げ幅縮小となる場面もありました。後場に入ってからは持高調整の売り買いに加え、債券先物売り、株式先物買いと見られる動きもあり、先物主導で指数を押し上げ大幅高となりました。目先の需給に振らされる展開は続いており、米国市場や為替次第という感もありますが、底入れ感が出たというよりはまだまだ底値固めと言うことなのだと思います。

 為替が落ち着いていることや欧米の景況感が好転していることなどから、日本市場も堅調な展開となりそうです。ただ、昨日までの連日の大幅高となっていることは米国で主要な経済指標の発表を控えた週末と言うこともあり、手仕舞い売りなどで上値を押さえられそうです。為替が大きく振れることがなければ出遅れ感が強い銘柄や割安感が強い銘柄などは買われるのではないかと思われます。先行きに対する懸念が強いだけに逆に底堅さが確認されて買い戻しを急ぐ動きになれば指数も意外高となる可能性もありそうです。

 週末の手仕舞い売りが嵩んだ場合に9000円水準を保てるのかどうかが注目されます。9000円を割り込むような場面があれば、手仕舞いの買い戻しなども見られるものと思われ、9000円水準の底堅さが確認されることになりそうです。上値は節目と見られる9200円水準に近づけば手仕舞い売りやヘッジ売りなども出てくるのでしょう。米国でも経済指標に改善が見られるので、売り急ぐ動きもないのでしょうし、売り叩き難いものと思います。

本日の注目点

◇4−6月期と09年度の法人企業統計(財務省)

◇2−7月期決算:SUMCO(3436)

◇インドネシア中央銀行理事会

◇8月の米雇用統計

◇8月のISM非製造業景況感指数

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