円高一服、昨日の大幅下落の反動から大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年09月01日 17時10分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 8927.02円 △102.96円
売買高 16億3868万株
日経平均先物 8930円 △130円
売買代金 1兆1839億円
TOPIX 811.40 △6.73
値上がり銘柄 862銘柄
東証マザーズ指数 368.07 △4.32
値下がり銘柄 649銘柄
日経ジャスダック平均 1170.62円 ▼1.57円
変わらず 157銘柄
騰落レシオ 76.22% ▼4.18%

日経平均

円高一服、昨日の大幅下落の反動から大幅高

 米国市場は方向感なく、為替も円高気味ではあるのですが、大きな動きは無く、指数は前日と変わらない水準での始まりとなりました。寄り付きの売り買いが一巡となった後は円高を嫌気するように下値を試す展開となり、日経平均は8800円を割り込み、TOPIX指数も800水準まで下落したことから目先の下値を確認、達成感もあって買戻しが入り底堅い堅調な展開となりました。特に買いあがる動きはなかったのですが、売り急ぐ動きがないことや昨日の大幅下落の反動から買戻しも入って堅調となりました。

 後場に入ると、円高一服となったことや買戻しを急ぐ動きも見られ、大幅高となりました。それでも積極的に買い上がる動きもなくあくまでも昨日の大幅下落、持高調整の反動という感じで戻りも限定的となりました。同じ業種の中でも高安まちまちとなるなど、指数は大幅高となる場面もあってのですが、相場の方向感が見える、物色対象が絞られるわけでもなく、あくまでも目先の需給要因、持高調整の売り買いに目先筋の売り買いが絡んでの動きということなのだと思います。

 小型銘柄も買戻しが入るものが高いというような雰囲気でした。東証マザーズ指数は大幅高となったものの、日経ジャスダック平均はほぼ横ばいとなるなど、「小型銘柄」として方向感が出るわけでもなく、ここでも目先的な需給要因での動きと見られる展開となりました。朝方はまとまった買戻しが入り、先物主導と見られるような場面もありましたが、その後は散発的にまとまった売り買いは見られるものの、追随するようなこともなく、大きく方向付けるような場面は見られませんでした。相変わらず目先筋の動きが中心と見られます。

 昨日の大幅下落の反動となりましたが、不動産株や住宅株、建設株などにも高いものが見られました。政府の経済対策として公共事業なども見直されるのではないかとの見方もあったようですが、持高調整の買い戻し、あるいは買い直しと言うことが中心と思われます。ただ、ここまで円高に振れ、金利が低下しているところでは内需企業などにメリットが出るものも見られるものと思われます。いずれにしても政策の方向性を示すことで、市場でも物色対象が絞られ、そうした銘柄が主導して相場を牽引しないことには底入れ感も出てこないのでしょう。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 反発とはなりましたが、まだまだ下値を試す動きが続きそうです。昨日の急落で戻りの目処が月曜日の高値水準=基準線の水準となってくるものと思います。RSIやストキャスティックスも方向感がなくなり、落ち着くまでは下値を試す展開、底値固めの展開が続きそうです。

TOPIX

NYダウ

 昨日の下落で改めて上値の重さが確認され、底値固めの展開が続きそうです。RSIもストキャスティックスも戻りかけては下値を試す動きが続いており、底値圏でのもみ合いとなってから反発となりそうです。

円相場

NYダウ

 転換線を割り込んで下値を試す動きとなっています。RSIは上昇となりかけたのですが、方向が出るというところまでいかず、ストキャスティックスも上昇しかけたものがまた調整となりました。いったん下値を固めるように落ち着いた展開にならないと、方向感は出ず、戻りを試すにももう少し時間がかかりそうです。

銘柄ピックアップ

戻りも限定的

GSユアサ(6674) 529 △34

 アジア地域での自動車や二輪車市場の拡大やリチウムイオン電池の成長性を評価したとして国内証券が投資判断を最上位にし、目標株価を現状株価の2倍以上としたことが好感され、手詰まり感の強い相場の中で目先筋の買いも交えて大幅高となりました。

東 芝(6502) 387 ▼8

 2011年にかけてNAND型フラッシュメモリーが供給過剰になるとして2012年3月期(来期)業績を下方修正したとして国内証券が投資判断を引き下げたことから軟調となりました。

新日鉄(5401) 280 △3

 原料用石炭(原料炭)の値下げが新聞で報じられ、コスト削減が期待できることや昨日の大幅下落の反動から買われ、堅調となりました。

菱地所(8802) 1305 △42

 住宅ローンが引き下げらたことや政府の経済対策期待に加え、為替の影響の少ない銘柄内需株ということで買われ、大幅高となりました。

菱洋エレク(8068) 758 ▼4

 。昨日の引け後に発行済み株式数の3.6%に当たる100万株を上限に自社株を取得し、償却を検討すると発表したことが株式需給の好転につながるとして好感する買いが入り堅調となりましたが、買いは続かず最後は見切り売りに押されて軟調となりました。

テルモ(4543) 4305 △145

 昨日の相場で特に売り材料があったわけでもなく持高調整の売りに押されて大きく下落となった反動から大幅高となりました。外資系証券がカテーテルなどの成長が見込まれるとして投資判断を引き上げた事も買い要因となったものと思います。

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