そんなにうらやましくない? 「社長公募」「新卒年収650万円」(2/2 ページ)

» 2010年08月30日 08時00分 公開
[増沢隆太,INSIGHT NOW!]
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会社に給料以上の利益をもたらさないといけない

 元に戻ります。

 社長として3500万円もらえるのは、会社に3500万円以上の利益をもたらすことができるからです。社長でなくとも、ヒラとして年収350万円もらえるのは、課長として600万円もらえるのは、某証券会社の新入社員が650万円もらえるのは、会社にその金額以上の利益をもたらしているからだという事実は動かすことができません。

 会社に利益をもたらしていない人に、もしくはその人に払う給与以下の利益しかもたらせない人に、給料を払ったら、会社は赤字になります。会社・企業の目的である「存続」が出来なくなるわけです。

 これだけ注目され、当然その会社の社員も「ウチの今度公募で入った社長は年収3500万円かあ」という目で見られる環境で、なおかつ当然のことながらまったく未知な就労環境、業務環境という中で、3500万円以上の利益をもたらすという、実は目もくらむような厳しい条件なのだと言えます。

 高給新入社員も、転勤や業務の対応含め、中途入社とほとんど同じようなパフォーマンスを求められ、それができなければこの待遇は終わりです。普通の大卒初任給扱いに戻るか、辞めるかしか居場所はないでしょう。

 「利益」が何を意味するかという定義は大した問題ではありませんが、普通に考えて営業利益や経常利益、EBITDAなど、要するに会社に残る利益です。売り上げではありません。社長である以上、自分が売って歩くことができるのは限られています。売り上げと利益を伸ばす仕組み作りができなければ、早晩お役御免になることでしょう。

 ここまで極端でなくとも、転職や就職において、少しでも高い給与を望む方。それは大いに結構。私も相当ガッついて給与交渉をしてきました。しかしそれを相手(=会社)に飲ませる、説得させることができるかは別問題です。ただガツガツしただけでは説得は出来ません。いかに相手を説得出来るか、そういう交渉力を磨いていただきたいと思います。「頑張りましたアピール」が、「辞めますカード」同様に役に立たないことをご理解下さい。(増沢隆太)

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