「裸になる」わけではないが……江頭2:50を見習う理由上杉隆の「ここまでしゃべっていいですか」(8)(3/3 ページ)

» 2010年08月27日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
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政治ジャーナリストの上杉隆氏

上杉:この問題は新聞社だけに限りません。テレビでも出版社でも同じこと。なので官房機密費問題を『週刊ポスト』で取り上げるときには、念には念を押しましたからね。そうしないと必ず、小学館内部からも自主規制を行う人が現れますから。

窪田:平気な顔して、ハシゴをはずす人がいますからね。

上杉:あとは、いつでもこの職業を辞める覚悟がないといけない。

相場:そうですね。

上杉:例えばテレビに出ているときには「ワンクールのレギュラー(出演)よりも、1回の伝説を」という江頭2:50のキャッチフレーズを常に頭に入れていました(笑)。

相場・窪田:ハハハ。

上杉:江頭さんのように裸になれという意味ではなく、言いたいことを我慢するくらいであれば言いたいことを言って番組を降ろされる方がいい。

相場:ボクのところにも某局からコメンテーターとしてオファーがありました。そして「どんなネタをやれますか?」と聞かれたので、大きい自動車会社や大きい流通会社の裏話をちょっとしただけで、「頼むから止めてください」と言われてしまった(笑)。

 こちらはビックリして「こんなネタでもダメなんですか?」と聞いたところ「絶対にダメです」と言われ、結局断わられました。

窪田:コメンテーターの仕事というのも難しいですよね。いたるところに"地雷"があるわけじゃないですか。番組スポンサーのことを気にしながらコメントをしなければいけないし。なので当たり障りがない人の方が向いている。漫画家のやくみつるさんも、相当に気をつかっているはずですよ(笑)。

 →続く

3人のプロフィール

上杉隆(うえすぎ・たかし)

1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。NHK報道局勤務、衆議院議員・鳩山邦夫の公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者などを経て、2002年からフリージャーナリスト。同年「第8回雑誌ジャーナリズム賞企画賞」を受賞。著書に『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』(新潮社)、『ジャーナリズム崩壊』(幻冬舎新書)など多数。

相場英雄(あいば・ひでお)

1967年新潟県生まれ。1989年時事通信社入社、経済速報メディアの編集に携わったあと、1995年から日銀金融記者クラブで外為、金利、デリバティブ問題などを担当。2005年に『デフォルト(債務不履行)』(角川文庫)で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞、作家デビュー。2006年末に同社退社、執筆活動に。著書に『株価操縦』(ダイヤモンド社)、『偽装通貨』(東京書籍)など多数。

窪田順生(くぼた・まさき)

1974年生まれ、学習院大学文学部卒業。在学中から、テレビ情報番組の制作に携わり、フライデー、朝日新聞、実話紙などを経て、現在はノンフィクションライターとして活躍するほか、企業の報道対策アドバイザーも務める。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。近著に『スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術 』(講談社α文庫)などがある。


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