米国株高、円高一服、前日までの大幅下落の反動から堅調だが上値が重い清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年08月26日 15時57分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 8906.48円 △61.09円
売買高 14億1697万株
日経平均先物 8890円 △60円
売買代金 1兆0294億円
TOPIX 811.79 △4.48
値上がり銘柄 1053銘柄
東証マザーズ指数 361.60 △2.35
値下がり銘柄 439銘柄
日経ジャスダック平均 1168.65円 △5.42円
変わらず 169銘柄
騰落レシオ 86.68% △4.88%

日経平均

米国株高、円高一服、前日までの大幅下落の反動から堅調だが上値が重い

 米国株は堅調、円高も一服となったことから買い先行となりました。ただ、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が大幅売り越しと伝えられたこともあり、前日までの大幅下落の反動が期待された割に上値の重い展開となりました。米国景気の先行きに対する懸念や、円高対策、経済対策がいっこうに見えないことから積極的な買いも手控えられ、買い戻し一巡後は持高調整の売りもあって、指数も軟調となる場面がありました。

 後場に入ると戻り歩調となりましたが、為替に動きが見られたわけでもなく、政府・日銀の方向が見えてきたというわけでもなく、上値は限定されて、上値の重さが見られると目先筋の見切り売りも嵩んで上げ幅縮小となりました。同じ業種の中でも高安まちまちとなるなど、市場全体の方向感に乏しい展開となりました。業績面でも為替の影響や景気回復鈍化懸念が根強く、足元の業績が好調でも売られてしまったり、売られ過ぎとなっても買いが入らない状況が最後まで続きました。

 小型銘柄も堅調ではあるのですが戻り切らない、上値の重い展開となりました。東証マザーズ指数も日経ジャスダック平均も堅調となりました。先物の朝方は散発的にまとまった売り買いは見られましたが、その後は後場中頃にまとまった買いが入って高値をつけたところ以外はほとんど的まった売り買いは見られませんでした。方向感もなく、手掛かりにも乏しいということで動きが出ても追随するような動きは見られません。

 米国株は堅調となり、円高も一服となったのですが、先行きに対する警戒感が強く、最後まで買い切れないということです。売られすぎと見られるものも多いのですが、ここで買わなければならない理由もないと言うことで買い気に乏しい展開となっているのでしょう。先行きに関しては常に不透明あり、先行きに対する不透明感から買われないということは買う材料がないから、今日買わなければならない材料もないから買わない、という日が続いているということなのでしょう。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 とりあえず底堅さは見られましたがなんとも中途半端な感じです。目先的には上値が「窓=空」を埋めるところが目処となり、下値は昨日安値、と言う感じではないかと思います。この水準から下押すところではストキャスティックスばかりではなく、RSIにも底入れ感が出てくるものと思われ、底堅さは期待できそうです。

TOPIX

NYダウ

 昨日の安値を割り込まなかったことで底堅さは見られそうです。ただ、ストキャスティックスは底値圏からの反発の兆しが見られるものの、RSIはまだ下値余地もありそうで、急反発というよりは「窓=空」を埋めながらの底値固めと言うことかもしれません。

円相場

NYダウ

 反発となりましたがまだ大勢に影響があるようなこともなく、とりあえず売られすぎの修正という感じです。RSIもストキャスティックスも方向感はなく、もみ合いから下に放れて底値固めと言うことなのだと思います。底堅さが確認されて一気に節目と見られる1ドル=85円を抜けて来るのかどうかが注目されます。

銘柄ピックアップ

先行き不安ばかりが募る展開

リンテック(7966) 1729 △16

 太陽電池用バックシートや半導体関連製品の伸びが好調で、過去最高益更新時期が今期に1年早まるとして国内証券が目標株価を引き上げたことが好感され、手詰まり感の強い相場の中で堅調となりました。

ソースネクスト(4344) 23810 ▼2110

 昨日米社との提携を発表して一時ストップ高まで買われましたが、目先筋の利益確定売りに押されて、大幅安となりました。今後の見通しについて見えないことから、手仕舞いが急がれたものと思います。

大阪チタ(5726) 3790 △330

 昨日の引け後に凍結していたスポンジチタンの増産投資を再開すると発表、あわせて2011年3月期の単独売上高見通しを引き上げたことが好感されて買われ、大幅高となりました。

日 立(6501) 341 △4

 官民でベトナムの原子力発電所受注を要請したことや円高一服となったことが好感されて堅調となりました。景気の先行き懸念が根強く上値も重いのですが、売り急ぐ動きはないようです。

住友商(8053) 965 △9

 中国の電力大手と風力発電など自然エネルギー開発で提携した、と新聞で報じられたことが好感されて買われ堅調となりました。中国の旺盛な開発需要を取り込めると言うことで期待が大きいものと思います。

第一生命(8750) 99600 ▼600

 特に売り急がなければならない理由があったわけでもないのですが、節目を割り込んだところからの戻りの鈍さを嫌気して売り直されたものと思います。小口の見切り売りに押されているのでしょう。

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