米国株安や円高を嫌気、解決策も改善策も見られないことも嫌気されて大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年08月25日 16時33分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株が大幅下落となったことや円高となったことから、売り先行となりました。ただ昨日までの下落もあり、寄り付きからの売りが一巡した後は為替介入や追加金融緩和期待から買戻しも入り、底堅い展開となりました。後場に入っていったん戻り歩調となったものの戻りの鈍さを嫌気して売り直されて大幅下落となりました。具体的なものが政府・日銀から聞こえてこないことから買いが続かず目先筋の売り買いが中心となる中で大幅下落となりました。

 昨日も述べましたが、新聞で追加緩和検討が報じられるなどしたにもかかわらず、円高にも株安にも歯止めがかからず、米国景気鈍化懸念と言われていますが、要は政府や日銀が「何をするのか」を待っているということでしょう。各国政府が自国通貨安と言うことで方向性が見えているなかで、方向感を出す事が大切でしょう。また、株式市場も政府や日銀頼みではなく、円高となるのであれば円高メリット銘柄、円安なら輸出株、というように素直な反応となればもっと盛り上がるのではないかと思います。

 債券がまた買われて、0.8%台となりましたが、いかにも低すぎるのではないかと思います。先日も話したかもしれませんが、銀行預金でも無いに等しい金利であり本当に異常事態と言えるのでしょう。金利が是だけ低くなれば、もっと銀行も貸し出しを増やすべきであり、そういった意味でリスクをとりやすくしてあげることが必要ではないかと思います。金利がこれだけ低下しているにもかかわらず投資が出来ない、リスクが取れないということが株価低迷の要因の一つということでしょう。

 政府や日銀が方向性を示し、その方向で市場が素直に動くというのが本来の「市場」であり、相場なのだと思います。そして、政府・日銀も投資家も銀行も皆が「為替」や「株価」は「市場」「相場」で形成されると言うことを意識する必要があるのでしょう。円高で市民が汲々としている中で、急激な円高に対して一国の指導者が「危機感は強く持っている。そう遠くない時期に、ちゃんとした対応をする」などと具体的な言葉も無く、行動も起こさず、呑気なことを言っているようでは、いけないと思います。もし、何もしないのであれば、「何もしないし、規制もしない」ということにすれば良いのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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