米国景気回復鈍化懸念が薄れ円高一服となったことが好感されて大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年08月19日 16時44分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国でも景気回復鈍化懸念が薄れ、円高一服となったことから日本市場も堅調な展開、大幅高となりました。ここのところ売られていた半導体関連銘柄などに買戻しも交えて買いが入り、大幅高となるものも見られました。米国でも金利低下メリットが期待されるような面もあり、日本でも金融緩和期待や金利低下メリットを見直す動きもあったものと思います。

 米国経済指標や企業決算動向などを見ても、本当に決して悪いものではないと思います。日本企業の決算も改めて見直して見ると、決して悪いものではなく、昨日の引け値時点で日経500種の中で見てもPER(株価収益率)で10倍を割り込んでいる銘柄が50銘柄以上あり、PBR(株価純資産倍率)で1倍以下の銘柄がちょうど半分(249銘柄)見られます。ごく単純に考えて「割安」と見られる銘柄がこれだけあるということです。

 もちろん、予想EPS(一株あたり利益)で見たPERですから、利益が予想に反して半分になる、あるいは来期の利益は半減すればPERは2倍になるということで、これだけで「割安」と見られるわけでもなく、将来の株高を保証するものではありませんが、銀行にお金を預けておいてもほとんど利息がつかないようなところでは、こうした「割安」銘柄を見つければ下落リスクも少なく、大いに投資対象として注目できるのではないかと思います。

 銀行預金は下落リスクはほとんどないと思われており、資金が「減らない」ということが重要視される資金の預け先としては良いと思いますが、「増える」ということ考える資金の投入先としてはふさわしくないと思います。FXでは一か八かというような印象で投入される資金は限定されるのでしょうし、ここらあたりで「株式投資」の懸念されるリスクと期待されるリターンを考えて見てもいいのではないかと思います。因みに上記日経500種採用銘柄のうち配当利回りが2%以上の銘柄は125銘柄あります。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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