コラム
» 2010年08月19日 08時00分 UPDATE

郷好文の“うふふ”マーケティング:“面白い”が起点――iPadの本質は好奇心にある (1/3)

「情熱の系譜」iPadアプリの仕掛け人、協和発酵キリン広報担当マネジャーの長谷川一英さんにインタビューした筆者。インタビュー後、iPadに保存されたスイス旅行の画像を肴にした語り合いをして、iPadの本質に気がついた。

[郷好文,Business Media 誠]

著者プロフィール:郷 好文

マーケティング・リサーチ、新規事業の開発、海外駐在を経て、1999年〜2008年までコンサルティングファームにてマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略など多数のプロジェクトに参画。2009年9月、株式会社ことばを設立。12月、異能のコンサルティング集団アンサー・コンサルティングLLPの設立とともに参画。コンサルタント・エッセイストの仕事に加えて、クリエイター支援・創作品販売の「utte(うって)」事業、ギャラリー&スペース「アートマルシェ神田」の運営に携わる。著書に『顧客視点の成長シナリオ』(ファーストプレス)など、印刷業界誌『プリバリ[印]』で「マーケティング価値校」を連載中。中小企業診断士。ブログ「cotoba」。Twitterアカウントは@Yoshifumi_Go


 話をして面白い相手なら、それはインタビューではなく人間同士の対話になる。記事のためのチェックリストを質問していくだけでなく、面白いことを真ん中にした語り合いになる。そして、そこにテーマの本質が隠れていることもしばしばあるものだ。

 今回のインタビューがそれだった。「さて、おいとましなきゃ」と立ち上がりかけてから始まった「スイス旅行 on iPad」。iPadに保存された、300枚にもおよぶスイス旅行の画像を肴にした語り合いが印象的だった。

ah_DSC06241S.jpg ビルコムプロジェクトマネジャーの早川くららさん(左)と、協和発酵キリン広報担当マネジャーの長谷川一英さん(右)

スイス旅行 on iPad

 「バーゼルは美しい街でしたね。歴史と芸術が溶け込んでいました」「何日間いらしたんですか?」「7日間です」。iPadに保存した画像を、協和発酵キリン広報担当マネジャーの長谷川一英さんは次々にスライドさせる。1枚1枚が美しい。

 美術館めぐりでは、モネの蓮を再現した池があるバイエラー財団美術館、いすのコレクションで著名なヴィトラデザインミュージアムでは座れる美術品もある。「バーゼルと言えばアートですね」と一同うなずく。

 ケーブルカーから登山鉄道への道程もビューティフル。凍える標高3500メートルの山岳地帯、だんだんと晴れて広がる青空の連写が鮮やかだった。

ah_DSC06231S.jpg

 「マルシェ(市場)で、チラリと写っているのは嫁です。普通はひと山いくらですが、あれとこれと一緒にしてこの値段で、と交渉してましてね」「スイス語ですか?」「いえ、マルシェだと英語で大丈夫です」。聞けば、夫人はスイスに研修滞在をしていたことがあるという。「嫁はもう少しで後でちゃんと出てきます」と解説する長谷川さんに苦笑する一同。ハイ、夫人はチャーミングな方でした。

 iPadを囲んでの余談が、インタビューよりも盛り上がった。私のヘボ質問のせいだが、「うまそうなピッツァですね」「街中どこでもありますよ」「味はどうですか?」「クリスピーでね」なんて会話の連鎖はPCや携帯だと生まれにくいだろう。

 iPadはコミュニケーションを生み出す。それがこのデバイスの本質だ。インタビューのテーマ「情熱の系譜 for iPad」の人気の秘密もそこにある。

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