あなたはモグリの記者ですか? そう感じさせられたエライ人の論理上杉隆の「ここまでしゃべっていいですか」(4)(2/3 ページ)

» 2010年08月18日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

官房機密費のことは聞いたことがない

ノンフィクションライターの窪田順生氏

上杉:森喜朗内閣くらいまでの幹部クラスはもらっているのではないでしょうか。政治部長、次長、デスク、官邸キャップなど――。

 日本外国特派員協会で行われた記者会見で、時事通信社の田崎史郎さんはこのようなことを言っていました。官房機密費問題のことは「50年間、聞いたことがない」と。これには驚きましたね。ボクのようなぺーペーだって「見たことも、聞いたこともある」のに(笑)。田崎さんは政治部記者の中核として活躍されてきたはずなのに、「聞いたこともない」のならどんだけの“モグリ”だよ、という話になってしまう。

 田崎さんのみならず、ほかの評論家たちも同じです。政治のことは表も裏も知り尽くしたはずなのに、なぜか官房機密費のことだけは聞いたことがない、となるんですよ。そこだけ知らないなんて……なんともうまくできているというか。

窪田:すごいなあ。官房機密費のお金だけは見えないんでしょうね。

相場:都合の悪いところは盲点になるのかもしれない。

上杉:また会見の席に他のメディアの人もいましたが、その発言が面白かった。ある記者が「今、『週刊ポスト』で連載をしていますが、官房機密費のことを見聞きしたことがありますか?」と質問したところ、「私はもらっていないっ!」と答えた人がいた。

相場:そういう意味で、質問したわけじゃないでしょう(笑)。

上杉:そして田崎さんが「そんなのは50年前の話だ。1回もそんなお金は見たこともないし、デタラメだ」などと言っていた横で、共同通信社の西川孝純(論説委員)さんが「飛行機の中で現金が入っている〈と思わしき〉封筒を渡されたが、『これは受け取るわけにはまいりません』とその場で返却した。それが官房機密費だったかどうかは尋ねてもいないし、知る由もない」と。いきなり論理が破たんしてます(笑)。

相場:確かに論理が破たんしていますね。ないということがウソになっている。

編集部注:共同通信社・西川孝純さんの発言内容に一部誤りがありましたので、修正いたしました。読者の皆さまにはご迷惑をおかけいたしました。(9/21 11:47)

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