あなたはモグリの記者ですか? そう感じさせられたエライ人の論理上杉隆の「ここまでしゃべっていいですか」(4)(1/3 ページ)

» 2010年08月18日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 全10回でお送りする、ジャーナリスト・上杉隆氏、作家/経済ジャーナリスト・相場英雄氏、ノンフィクションライター・窪田順生氏の鼎談連載4回目。官房機密費問題で揺れるメディア業界だが、解説委員クラスの記者はどのような対応を見せているのだろうか。

“裏懇”で金品を受け取っている記者

ジャーナリストの上杉隆氏

上杉:まだ官房機密費の問題が続いていますが、なぜこんなことがまかり通るようになったのかというと、やはり記者クラブ制度が残っていたから。記者クラブがあることで秘密を共有し、いわゆる共犯関係にしてしまう。もはや記者クラブは秘密を漏洩させないシステム……つまり“カルテル”だと言っていい。

 そして秘密を共有するだけではなく、そこにお金もからんでいた。ただ記者クラブを開放してしまうと、フリーのジャーナリストが入り込んで秘密をばらしてしまう。だから主要メディアは記者クラブを守りたかったのか……と思わざるを得ない。

相場:ボクは経済部にいましたが、政治部とは温度差のようなものを感じていました。20年ほど前に、日本に外資系企業がやってきましたが、そのころから記者クラブに緩みがでてきました。そして記者クラブがなくなったところもたくさんある。なので政治部記者の話を聞いていると「えっ、永田町ってまだそんなことやってるの?」といった新鮮な驚きがありますね。

上杉:ただ若手の記者で官房機密費をもらっている人はほとんどいません。小泉政権のときに大きく変わりましたから。

相場:なるほど。

上杉:約5億円の官房機密費を騙し取った外務省の元要人外国訪問支援室長・松尾克俊の問題が浮き彫りになってから、ピタッと止まりました(参照リンク)。もちろん“裏懇”などで、金品の提供を受けている人間はごく少数残っていますが……。

相場:そうなると、当時の政治部部長や次長クラスの人が“ズブズブ”だったということですね。

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