コラム

ちきりんの“社会派”で行こう!:定期預金で安心って……本当? 金融商品、5つのリスク (1/3)

金融商品への投資を語るとき、“リスク”という言葉がしばしば使われます。しかし、リスクにもさまざまな種類があります。その違いが意識されていないのではないでしょうか。

[ちきりん,Chikirinの日記]

「ちきりんの“社会派”で行こう!」とは?

はてなダイアリーの片隅でさまざまな話題をちょっと違った視点から扱う匿名ブロガー“ちきりん”さん。政治や経済から、社会、芸能まで鋭い分析眼で読み解く“ちきりんワールド”をご堪能ください。

※本記事は、「Chikirinの日記」において、2005年7月20日に掲載されたエントリーを再構成したコラムです。


 金融商品への投資にはリスクがあって、「退職金を全部なくした」とか「だまされた!」という話も聞きます。自己責任という言葉がよくセットで使われます。そして「真面目な人は投資なんて考えちゃいけない」と言われることもあります。「株に手を出すな」とか。

 これ、ちきりんはすごい違和感あります。「怖いから手を出すな」って、子どもに「危ないから火に一切近づくな」というのと一緒です。そりゃーそうだけど、一生、火を使わないわけにいかないでしょ。「少しずつ使い方を覚えていかないとイカンのじゃないの?」と思うのです。包丁や刃物も同じですよね。リスクはあるけど使い方によってはとても役立つものが世の中にはある。

 そういうものの使い方を覚える過程で、誰だって少しくらいけがややけどもするでしょう。それは避けられない。1回もやけどをせずに火を使えるようになったりなんかしない。料理のうまい人で「包丁で指を切ったことが一度もない」なんて人はいません。

 うまく使えばすごく役立つ便利なものに対して「一切近寄るな、使うな」というのはもったいない。「小さな“痛い思い”をしながら使い方を覚えていく方がいいのでは?」と思います。

5つのリスク

 金融商品の話に戻ると、最近は「リスクとリターンの関係」についてはそこそこ理解されてきていると思うのですが、「リスクっていろいろあるよね」という考え方はまだ普及してないなあと思います。

 例えば金融商品のリスクを「ある」「ない」で語る言い方、ちきりんはすごく違和感があります。だってすべての金融商品にはリスクがあるんだから。「安全な火」とかありえないのと同じです。

 ファイナンスの世界では「国債はリスクフリー」という“置き”(仮定)はありますが、国債は満期までの間の流動性リスクが非常に高いです(途中換金がとても難しい、という意味です)。銀行預金だってペイオフ限度超には「信用リスク」があるし、円資産全体に「インフレリスク」が存在します。

 というわけで、すべての金融商品にはリスクがあるのですが、そのリスクの種類がいろいろ違うのです。

 リスクの種類としては、

(1)価格変動リスク

(2)流動性リスク

(3)信用リスク

(4)金利リスク

(5)プロセスリスク

 などがあります。

 金融商品はこれらのリスクのうち、どれとどれのリスクがあるとか、どれが大きくてどれが小さいとか、そういう組み合わせでリスクを持っています(為替リスクというものがありますが、これは上記のリスク項目の組み合わせと考えられます)。

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