週末の手仕舞いの買戻しもあり、底堅さを確認して堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年08月13日 16時07分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場が軟調、世界的な景気回復鈍化懸念が強まっている中で堅調となりました。寄り付きはオプションSQ(特別清算指数)に絡む売り買いで堅調な始まりとなったのですが、その後は手仕舞い売りに押されて軟調となり、後場に入ると今度は手仕舞いの買戻しなどから堅調となりました。景気回復に対する懸念は残るものの、値ごろ感からの買いもあったものと思います。

 日米の金融当局や政府の景気に対する温度差の違いが今回の円高を招いた要因といえるでしょう。それでなくても、これまでも「景気浮揚策」にしても、公共事業にしても、市場の動きとは関係のない人気取り政策ばかりが目に付いていたのですが、今回のことで、かなり政府や金融当局の無策ぶりが目立ってしまったということでしょう。

 米国ではFRB(連邦準備理事会)に対する信頼が見られ、実際にFRBもその期待にこたえるように柔軟に金融政策を打ち出していると思われます。米ドルでもユーロでも安いことが輸出企業にとってはいいことであり、輸出主体で景気を回復させようとすれば、そのような政策を取るのです。

 日本でも新興国を中心とした輸出企業を中心に景気を浮揚させてインフレ気味の政策を取りながら国内に資金を還流、そして国内で資金が還流するようにすれば景気も良くなるはずなのです。また、円高と言う事実があるのであれば、円高メリットを活用した、つまり、低コストで輸入して付加価値をつけて国内で売れるようにする、と言うような、そしてそうした行動を企業がとりやすいようにしなければならないでしょう。そしてそうした能力がないのであれば規制は全て撤廃して自由に動けるようにするしかないと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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