米国株安や円高を受けて大幅安だが年初来安値更新での達成感から下げ幅縮小清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年08月12日 16時53分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9212.59円 ▼80.26円
売買高 18億9751万株
日経平均先物 9190円 ▼90円
売買代金 1兆2797億円
TOPIX 827.78 ▼6.67
値上がり銘柄 362銘柄
東証マザーズ指数 371.43 ▼6.28
値下がり銘柄 1173銘柄
日経ジャスダック平均 1180.76円 ▼11.21円
変わらず 128銘柄
騰落レシオ 80.79% △0.68%

日経平均

米国株安や円高を受けて大幅安だが年初来安値更新での達成感から下げ幅縮小

 欧米株式がリスク許容度の低下もあって大幅安となったことや円高に振れたことから売り先行となりました。昨日の大幅下落である程度織り込まれていたのかと思われましたが、見切売りや持高調整の売りに加え、週末のオプションSQ(特別清算指数)算出に絡む売りなどもあり、寄付きから大幅安となりました。為替も円高傾向は止まらず、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が売り越しと伝えられたこともあり、寄り付きの売りが一巡となった後も下値を探る展開が続きました。

 後場は寄付きから見切り売りも嵩み一段安、年初来安値更新の始まりとなりました。ただ、年初来安値を更新したことからの達成感や値ごろ感からの買いも入り寄り付き後は底堅さも見られ、底堅さが確認されると買戻しを急ぐ展開となり、下げ幅縮小となりました。ただ、特に材料がないなかでの値ごろ感からの買い戻し主体の下げ幅縮小、オプションSQに絡む持高調整の買戻しなどもあったものと見られ、今後は業績面などから、割安感が強まり戻りを試す動きとなるかどうかが注目されます。

 小型銘柄も見切売りに押されるものが多く、東証マザーズ指数も日経ジャスダック平均も年初来安値更新、大幅安となりました。主力銘柄ほど目先筋の買い戻しが入らない分、下げがきつくなったものと思います。先物は朝方や前場の後半にはまとまったヘッジ売りなどもあり、指数を押し下げる場面もありましたが、後場は寄り付き以外はまとまった売りは見られず、最後は目先筋のまとまった買い戻しも入り指数を押し上げる場面も見られました。

 最後は値ごろ感からの買戻しもあって下げ幅縮小となりましたが、昨年7月、11月の安値今年の7月初めの安値水準まで下落となりました。さすがにその水準では下げ渋りとなりましたが、足元の業績が比較的好調とされる中でここまで売られるのはこれまで安値をつけた時点のことを考えても、売られすぎではないかと思います。先行きへの警戒感や欧州での金融不安が燻ってはいるのですが、そろそろ底堅さが見られてもいいところです。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 遅行線が日々線を割り込んでしまいました。これで、調整は長引きそうですが、一気に基準線を割り込んだことや安値の節目で下げ渋ったことから、反動高も期待されます。RSIはまだ中途半端な位置で下落を始めていますが、ストキャスティックスは底値圏からの反発を示唆しており、いったんは戻りを試すか、底値圏でのもみ合いとなるものと思います。

TOPIX

NYダウ

 遅行線が日々線を割り込んで下値を試す動きとなりました。これから底値固めとなってくるのでしょうが、RSIはまだ中途半端な位置から下落となり、ストキャスティックスも底値を確かめるようなところであり、反発となれば戻りを試す動きとなるのでしょうが、まだ下値を探る展開が続くのかもしれません。

円相場

NYダウ

 底値圏でのもみ合いとなっています。下値を叩くというよりは底堅さが見られるという感じです。転換線に上値を押さえられているのですが、ストキャスティックスは底値圏にあり、転換線を抜けて底入れ感が出てくるのではないかと思います。

銘柄ピックアップ

世界的な景気減速懸念から売られる

トヨタ(7203) 3030 △10

 年初来安値更新となりました。世界的に景気回復鈍化懸念から株安となる中で、景気敏感株の代表銘柄ということもあり朝方か売りが嵩んで軟調となりました。ただ、足元の業績は好調とされるだけに年初来安値を更新となったことで下げ渋り、達成感からの買戻し入り堅調となりました。

商船三井(9104) 566 ▼5

 バルチック指数(海運指数)は底入れから上昇となっていますが、景気回復鈍化懸念が根強いこと、特に中国の経済拡大スピードが鈍るのではないかとの懸念から売られ軟調となりました。

住友ゴム(5110) 831 ▼3

 昨日の引け後に2010年12月期連結純利益が前年比54%増となる見通しと発表、新興国でのタイヤ需要拡大や国内の低燃費タイヤ販売好調を受けて従来よそうを40%上回ったのですが、地合いの悪い中で材料視されず軟調となりました。

ハイデ日高(7611) 1062 △31

 昨日の引け後に2010年3−8月期の単独税引き利益が前年同期比69%増となる見込みと発表、従来予想から上方修正となったことに加え、2011年2月期の年間配当を増配すると発表したことが素直に好感されて買われ、堅調となりました。

明治HD(2269) 3800 △95

 主力銘柄の中では数少ない堅調な銘柄となりました。昨日発表された2010年4−6月期決算で純利益が前年同期比2倍となったと発表、足元の業績が好調とされたことに加え、世界的な景気回復鈍化懸念が強まるなかで景気動向の影響を受け難いディフェンシブ銘柄として「買える銘柄」として物色されて堅調となりました。

シャープ(6753) 868 ▼5

 為替が円高となったことなどから、円高の影響が大きい銘柄として売られました。外資系証券が来期以降の国内薄型テレビ需要が減退するとして、投資判断を引き下げたことも売りに拍車をかけたものと思います。

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