<NYダウ>10378.83▼265.42
<NASDAQ>2208.63▼68.54
<為替:NY終値>85.31-85.37
景気回復鈍化懸念が強まる中で、中国などの経済拡大のスピード鈍化や欧米の景気回復鈍化が懸念されて売り先行となりました。朝方発表された米貿易赤字が2008年10月以来の高水準と予想より拡大、イングランド銀行の成長見通し引き下げなどもあって、4−6月期GDP(国内総生産)が速報値から大きく下方修正されるのではないかとの懸念から景気敏感銘柄を中心に大幅下落となりました。センチメントが悪い中で、ちょっとした材料にも敏感になり、売り急ぐ動きとなったものと思います。
日米欧共に今回の景気回復は中国など新興国の恩恵が大きいということで、今や世界景気の牽引役である、中国などの景気拡大スピードが鈍ることを懸念する動きとなっているようです。欧州でも金融不安が薄れた後の修正も一段落ということでユーロを売りやすかったことからユーロが売られ、ユーロが売られることで、リスク許容度が低下して米国株なども売られるということだと思います。リスク許容度の低下から売られたのであれば、一斉に売りが出た後は売り一巡感から底堅さも見られるものと思います。
個別には景気敏感株を中心に大幅下落となるものが多く、キャタピラー、GE(ゼネラル・エレクトリック)、アルコアなど軒並み大幅安となり、リスク許容度の低下から金融株も大幅値を下げるものが多く、バンク・オブ・アメリカ、JPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックスも大幅下落となりました。金先物価格は堅調となりましたが、信用収縮の動きが商品相場の下押しにつながり、原油先物価格の下落もあって、エクソン・モービルなども売られました。新興国での景気拡大鈍化が懸念されることから、ハイテク銘柄も軒並み下落、アップルやノキアが大幅安、インテルやIBMも軟調となりました。一方、5−7月期決算が予想を上回ったメーシーズが大幅高となりました。
昨日の日本市場は米国株安、円高と言うことに加え、朝方発表になった機械受注が予想を下回ったこと、中国の経済指標が予想通りとは言え、芳しくなかったことなどから売り先行となりました。オプションSQ(特別清算指数)算出に絡む思惑なども含めて、持高調整の売り、債券買い、株式売りの動きも見られ、大きな下げとなりました。
米国株が大幅下落となり、世界的に景気回復鈍化懸念が強まって来ました。日本市場は昨日の大幅下落で米国株安をどこまで織り込んでいるかと言うところが注目されます。シカゴ市場(CME)の日経平均先物は9100円台前半と日本市場の終値よりも大きく下落しており、米ドルは落ち着いているのですが、ユーロが大きく下げており、軟調な展開で下値を試すことになりそうです。ハイテク銘柄など輸出関連銘柄や新興国関連銘柄は手掛け難く、幕間つなぎ的に内需系の低位株やディフェンシブ銘柄、小売株などが物色されて指数の下支えとなるのかどうかと言うところではないかと思います。
9500円〜600円水準を底値にしたもみ合いを下に放れてしまった格好となりました。7月初めや7月下旬の安値を試す形ですが、そのときのもみ合い水準となっている9200円水準、9200円を割り込むようなところでは底堅さも見られるものと思います。一目均衡表で遅行線の底値と日々線の底値の日柄が一致する可能性も高く、為替が落ち着けば足元の業績が好調なだけに売り難くなり、買戻しも期待できそうです。オプションSQもあり、9250円の攻防ということで、落ち着いた動きになるかもしれません。
◇6月の鉱工業生産指数確報(経産省)
◇7月の消費動向調査(内閣府)
◇4−6月期決算:T&D(8795)、MS&AD(8725)、CSKHD(9737)
◇韓国銀行(中央銀行)の金融通貨委員会
◇7月の豪失業率
◇6月のインド鉱工業生産
◇30年物米国債入札
◇7月の米輸出入物価指数
◇海外5−7月期決算:ノードストローム
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