米国株安や円高を受けて軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年08月09日 17時27分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9572.49円 ▼69.63円
売買高 12億5400万株
日経平均先物 9560円 ▼90円
売買代金 0兆8759億円
TOPIX 857.62 ▼3.55
値上がり銘柄 696銘柄
東証マザーズ指数 381.54 △3.05
値下がり銘柄 794銘柄
日経ジャスダック平均 1204.12円 ▼2.87円
変わらず 173銘柄
騰落レシオ 97.64% ▼2.33%

日経平均

米国株安や円高を受けて軟調

 週末の米国市場が軟調となったことや為替が円高に振れたことから売り先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越しと伝えられたこともあり、寄り付きの売りが一巡となった後は底堅い展開となりました。ただ、為替に動きはなく、今週は日米の金融政策を決定する会合が開かれることから、金利や景気に対する見方などから当局の出方を見極めたいという動きが強く、目先筋の持高調整の動きはあるのですが、先を見極めたような売り買いは少なく、方向感のない展開となりました。

 後場に入ってからも目先筋の売り買いが中心で方向感のない展開となりました。大きく売られることもないのですが、買戻しを急ぐ動きもなく、指数は方向感のない展開でした。業績上方修正を発表しながらも冴えない動きとなるものが多く、円高を嫌気してハイテク銘柄など輸出株が売られ、指数を押し下げ、景気動向に影響されにくい銘柄ということで医薬品株、食品株などのディフェンシブ銘柄の一角が堅調となって指数を支える格好となりました。

 小型銘柄は閑散とした相場の中でちょっとした売り買いに上げ下げするものが多く、指数の方向感はありませんでした。東証マザーズ指数は堅調となりましたが、日経ジャスダック平均は軟調となりました。先物もまとまった売り買いはほとんど見られず、朝方の持高調整の売り買いが一巡した後は動きはほとんどありませんでした。月遅れのお盆休みということもあり、小口の小掬い商いが中心となり、指数を方向付けるような場面もありませんでした。

 休暇モードということではないのでしょうが、盛り上がらない相場です。目先の値動きを気にして売買する向きが多い割りに、業績面では先行きの懸念ばかりが気になって、割安感が強まっても、業績上方修正となっても、買い切れないということのようです。ただ、逆に言えば売り難い、あるいはもう既に売り切ってしまったという見方もあり、日米の金融当局の出方次第では大きな動きとなる可能性もありそうです。仕掛け的な動きということではなく、今後の方向をはっきりとさせる可能性もあり、金利や為替への影響も含めて、金融当局の出方が気になります。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 遅行線は日々線を抜けたものの、日々線は雲に上値を押さえられて調整となっています。RSIは方向感はないのですが、上値余地もあり、ストキャスティックスは下落が続いていると見られ、引き続き上値の重い展開で下値を試す動きは続くものと思います。基準線にサポートされ、雲に上値を押さえられるような展開が続くものと思います。

TOPIX

NYダウ

 先週末には堅調となったのですが、本日は先週末の値幅の中で小動きとなりました。遅行線が基準線や転換線に押され、日々線も雲に上値を押さえられて下値を探る、押し目を確認する動きとなっています。RSIもストキャスティックスも方向感はなく、しばらく基準線と雲に挟まれてのもみ合いが続くものと思います。

円相場

NYダウ

 下値を探る動きが続いています。ストキャスティックスは底値圏でのもみ合いとなっていますが、RSIはまだ下値余地がありながら方向感はなく、まだ調整が続きそうですが、基準線や移動平均線との乖離が広がるところでは下げ渋るものと思います。戻りも転換線に上値を押さえられそうですがもみ合いの中での底値固めとなりそうです。

銘柄ピックアップ

好決算に反応しきれず

住友鉱(5713) 1135 ▼56

 先週末の引け後に2010年4−9月期連結業績の上方修正を発表。通期業績予想を据え置いたことで、下期業績への懸念が強まり嫌気する売りが嵩み大幅下落となりました。

ニトリ(9843) 7590 △80

 先週末から500品目の値下げ、好調な業績が期待されることに加え、為替が円高に振れたことで、コスト減につながるとの思惑もあり、円高メリット銘柄として物色され、堅調となりました。

荏 原(6361) 369 △29

 先週末の引け後に2010年4−9月期連結最終損益の黒字幅が従来予想から拡大すると発表したことが好感されて大幅高となりました。珍しく好決算に素直な反応となりました。

日配飼(2056) 100 ▼8

 2011年3月期の連結営業利益が前期比64%減となる見通しと先週末の引け後に発表し、従来予想を大幅に下方修正したことが嫌気されて売られ、大幅安となりました。

J T(2914) 283900 ▼5400

 10月の国内での大幅なタバコ増税をきっかけにした値上げを評価してきたが、従来からタバコ需要の減少スピードが加速されていることから、外資系証券が投資判断を引き下げたことから軟調となりました。

JR東海(9022) 730000 △10000

 景気の先行きに対する懸念が強まり、総じて軟調となるなかで、景気動向に左右され難いディフェンシブ銘柄、為替の影響の少ない銘柄として消去法的に買われて堅調となりました。

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