富士キメラ総研は8月6日、「デジタルコンテンツ/メディア市場調査総覧 2010」を発表、2009年の国内デジタルコンテンツ市場※は前年比2.5%減の7兆6798億円となったことが分かった。
携帯電話やスマートフォン向けに拡大している電子書籍市場、オンラインゲームを中心に拡大しているネットサービス市場、流通や小売業で導入が進んでいるデジタルサイネージ市場などは好調だが、規模の大きいデジタルTV市場とパッケージソフト市場が縮小したことが影響した。
富士キメラ総研では、2010年もパッケージソフト市場の縮小が続くため、国内デジタルコンテンツ市場は前年比0.2%減の7兆6676億円となると見込んでいる。
分野別に見ると、2010年の電子書籍市場は、前年比19.3%増の631億円と見込んでいる。電子書籍市場は、市場の90%近くが携帯電話やスマートフォン向けで、その内コミックが8割以上を占めており、持ち運びが不便なPC向けは一部の利用にとどまっている。
富士キメラ総研では「コミックは大半が成人向けでニッチな層をターゲットとしており、無料ゲームに需要がシフトしはじめていることから、数年後には伸びが頭打ちになるとみられる。しかし、2010年5月に『iPad』(Apple)が発売され、またソニーから『Reader』の発売が予定され、さらにAmazon.comから『Kindle(日本語版)』の発売が予想されることから、電子書籍の市場が大幅に拡大すると予測される」とコメント。2014年には3000億円まで市場規模が拡大すると予想している。
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