雇用指標の悪化や週末の雇用統計の発表を控え、手仕舞い売りに押されて軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年08月06日 07時44分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10674.98▼5.45

<NASDAQ>2293.06▼10.51

<為替:NY終値>85.84-85.9

雇用指標の悪化や週末の雇用統計の発表を控え、手仕舞い売りに押されて軟調

 週末の雇用統計が気になる中で朝方発表された新規失業保険申請件数が予想されたよりも悪化したことなどから売り先行となりました。主要小売大手28社が発表した7月の既存店売上高が予想を下回ったことも嫌気され、週末の雇用統計の発表を控えて手仕舞い売りに押されるものが多くなりました。ただ、新規失業保険申請件数も既存店売上高も売り急いだり買い急いだりするほどの数字でもなく、持ち高を売り買いどちらかに偏らせるような動きもなく、買い戻しも入って下げ渋りとなりました。

 雇用指標にしても小売売上高にしても、完全に「悪い」と言い切れるほど悪くなく、買い急がなければいけないほど良くはない、と言う感じで景気の先行きに対しても見方が分かれるようです。目先の指標に反応しながらも、決算動向に反応しながらも、決定的にどちらかに反応しきれないと言うことなのだと思います。週末の雇用統計でどちらかにセンチメントが傾くほどはっきりとした数字が見られなければ、引き続き悩ましい状況が続き、目先の需給やちょっとした材料に右往左往することになるのでしょう。

 個別には小売り株は6月と反対に既存店売上高が予想を上回ったギャップや予想を下回ったターゲットが高く、6月は好調として買われたJCペニーが7月は予想を下回ったことや5−7月期の一株利益が予想の下限になりそうだと発表したことから大きく売られました。6月も7月も好調なメーシーズは堅調となるなど、まちまちとなりました。ハイテク銘柄も様子見気分の強い中で手仕舞いの売り買いが交錯、インテルやアップルが安くIBMやグーグルが高いなどまちまち、金融株は英バークレイズが好調な業績にもかかわらず営業収益の減少が嫌気されて売られたことから連れ安となり、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど軒並み軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高や円高一服を好感して買い先行となり、好決算銘柄を中心に買われました。後場に入ってから円高に振れたことを嫌気する場面もありましたが、結局最後まで値持ちは良く、大幅高となりました。不動産株など内需株にも高いものが見られ、ハイテクい銘柄など輸出関連銘柄の中にも高いものが見られるという展開で大幅高となりました。半導体関連銘柄などの一角に安いものも見られましたが総じて好決算銘柄は堅調となりました。

 米国市場は小幅反落となり、為替も円高に振れたことに加え、米国での主要経済指標の発表を控えた週末ということもあり、手仕舞いの売り買いが中心となりそうです。加えて、ヘッジ売りなども嵩むものと思われ上値の重い、軟調な展開が予想されます。決算発表も出揃って来ましたが、先行きに対する警戒感が強く、これまで織り込んでいたわけでもないのですが、足元の好決算に反応出来ずにいるようです。消去法的にディフェンシブ銘柄や内需銘柄が注目されることになりそうです。

 日経平均は引き続き9500円〜600円水準での底堅さを確認することになりそうです。9500円に近づく、あるいは割り込むような場面ではしっかりと買いが入るのかどうか、9500円より下の水準では売り急ぐ動きにならないのかどうかなどが注目されます。上値の節目らしい節目は9800円〜900円水準なのですがその水準を目指すというより当面は9500円〜600円水準での底値固めと言うことになるのでしょう。

本日の注目点

◇6月の景気動向指数速報値(内閣府)

◇7月の携帯電話各社の契約件数

◇4−6月期決算:東レ(3402)、大和ハウス(1925)、日ハム(2282)、DIC(4631)、住友鉱(5713)、荏原(6361)、GSユアサ(6674)、パイオニア(6773)、日立造(7004)、丸井G(8252)、スクエニHD(9684)

◇1−6月期決算:ブリヂストン(5108)

◇7月の米雇用統計

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