今後も強みであり続けるのか? ニホンのものづくり

» 2010年08月05日 13時35分 公開
[Business Media 誠]

 「日本経済の強みはものづくり」といった言葉を聞くことがあるが、ものづくりは今後も日本の強みであり続けるのだろうか。企業のトップに聞いたところ「ものづくりは今後も日本の強みであると思う」と答えた人は57.8%であることが、経済同友会の調査で分かった。ただ昨年行った調査と比べると、「強みであると思う」と答えた人は15.5ポイントも減少した。

 「強みであると思う(ややそう思う+どちらとも言えないを含む)」と答えた人に、ものづくりを維持していくための必要な対応を聞いたところ「蓄積されたノウハウ・技術の伝承」(84.9%)と答えた人が最も多かった。次いで「グローバルに通用する新技術の開発」(82.1%)、「学校教育における理科教育の充実」(38.7%)、「法人税の減税」(21.2%)と続いた。

(出典:経済同友会)

 一方「強みであるとは思わない(あまりそう思わないを含む)」と答えた人に、ものづくりが強みでなくなる理由を聞いたところ「新興国の台頭による安価な商品の広まり」(77.3%)と答えた人がトップ。次いで「生産拠点の海外移転による国内空洞化」(59.1%)、「ノウハウ・技術を伝承する若手の不足」「国際分業による日本の優位性の低下」(いずれも50.0%)と続いた。

(出典:経済同友会)

日本経済は何を強みとしていけばいいのか

 今後、日本経済は何を強みとしていけばいいのだろうか。この質問に対し、「環境技術」(66.1%)と答えた人が最も多かった。次いで「ものづくり」(62.2%)、「アジア経済の成長取り組み」(56.6%)、「高付加価値化の力」(52.7%)という結果に。

 昨年の調査と比べ「ものづくり」と答えた人は、17.9ポイント減少。また「高付加価値化の力」も14.8ポイント減少した。

 郵送による調査で、東証1・2部または経済同友会に所属している企業の社長391人が回答した。調査時期は2〜3月。

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