「秋田魂心会」に注目する! ご当地イベントの進化系相場英雄の時事日想(2/3 ページ)

» 2010年08月05日 08時00分 公開
[相場英雄,Business Media 誠]

 また県人会といえば、東京近郊の地元出身者のみが集う閉鎖的なイメージがつきまとう。だが、同会に関しては、他県出身者の参加も強く求めている。

 「東京在住の県人が交流を深めると同時に、県外の方々にも秋田の酒や食べ物など、地元の魅力を広くアピールしたい」(先の店長)という主旨に興味を抱いた。

 筆者は拙著『みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎シリーズ』の取材・執筆に当たり、東北各地を飛び回っている。このため、秋田をはじめ東北6県には強い思い入れがあることをあらかじめお断わりしておく。ただ、そうした要因を割り引いても、このイベントは単純に面白い。

 イベントは2008年に始まり、8月7日の会合で5回目となる。参加者も増加し、400人程度を見込んでいるという。毎回、イベントには同県出身の著名な俳優やタレントがメッセージを寄せたほか、モデルやお笑い芸人も参加しているそうだ。

 ホテルの宴会場などで開かれる型通りの県人会ではなく、DJが音をつくり、秋田美人によるファッションショーも敢行されるなど、型破りなイベントになるという。

自発的発生で集客増、アピール度向上へ

 今回、同会の活動に触れたのは、もう1つ別の理由がある。『麺食い記者シリーズ』の取材で東北各地を飛び回る間、各地の自治体が例外なく地元への集客、そして県外への広報活動を積極化させていることを知った。

 だが、「都心のアンテナショップは高家賃と低収益に泣き、イベントを企画すれば業者に割高な経費を請求され、苦労の連続」(某県幹部)との声を頻繁に聞いたのだ。

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