シンプルにカッコいい!―ホンダ CR-Z岡崎宏司のクルマ DE トリップ(1/2 ページ)

» 2010年08月05日 08時00分 公開
[岡崎宏司,LUXURY TV]
LUXURY TV

著者紹介:岡崎 宏司(オカザキ コウジ)

1940年東京生まれ。日本大学芸術学部放送学科卒業。文化的側面からクルマを斬る自動車評論家。輸入車がレアだった45年以上前に、「旅行に行くから」と言って借りた、父のノーマルのベンツでラリーに出場し、優勝したという、やんちゃな過去も。

※この記事は、LUXURY TVより転載しています。


 「エコ」の名の付くものは、どうしても地味なイメージが付きまといがちです。しかし、ホンダCR-Zは違います。CR-Zはハイブリッド車ですが、決して地味な存在ではありません。

 いや、その姿はまさにスポーツカーのそれですし、若々しくもあるし、華やかさもあります。いちばんシンプルにいえば、「カッコいい!」という表現が当たっていると思います。

 いろいろなものが均質化する方向に向かっているいま、われわれ消費者がもっとも望むものは、心地よい使い勝手と心惹かれるデザインでしょう。ホンダCR-Zにはそれがあると僕は思っています。

 定員は4名ですが、後席は「緊急用補助席」的実用性しかありません。でも、カッコいいから許せますし、中途半端な実用性を求めて、カッコよさを犠牲にしなかったホンダのやり方には賛成です。

 2シーターとなると台数的に多くは望めませんが、それを承知で「エコとカッコよさ」を結び付けたホンダの決断に拍手です。4シーター車がなければ厳しいですが、ホンダにはすでにインサイトがあるし、次なるHVモデルも着々と準備が進んでいるようなので、CR-Zはエコカーにも「カッコよくて運転が楽しい」クルマもあるといったイメージ作りに専念すればいいのです。

 1.5リットルエンジンを基本的な動力として、必要に応じてモーターによるアシストをするシステムはインサイトと同じです。ノーマルとECONモードでは、いかにも「エコカー的」な平凡な走りに終始しますが、スポーツモードを選ぶとがぜん雰囲気は変わります。

 モーターのアシスト量が増して、実に気持ちのいい加速を楽しませてくれるのです。身のこなしもなかなか軽快です。CR-Zはエコだけでなく、お洒落にも乗れるクルマです。2人乗りで用が足りる人には、お勧めです。

 あるいは、ファストカーにCR-Zを使って、セカンドカーに4シーターを使うというのもいまの時代に合った、とてもスタイリッシュな選択だと思います。

岡崎宏司のクルマ DE トリップ エコドライブモニターを見ながら運転していると、アクセルを操作する右足はついついエコモード方向の足裁きになってしまいます
岡崎宏司のクルマ DE トリップ 僕は昔、スペシャルチューンしたホンダCR-Xに乗っていたことがありますが、そのときのことをあれこれ思い出しました
岡崎宏司のクルマ DE トリップ CR-Z、前から見ても後ろから見ても……カッコいいと思います
岡崎宏司のクルマ DE トリップ スポーツカーらしい運転席です。「コクピット」と呼ぶのに抵抗はありません
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